【中国の就活事情】やりたいことが何かわからない?中国都市部・上海。一人っ子の若者の働く意識
上海に着いて早速、
紹介で繋がった上海人の若者と会ってくることができました。
ちょっと予想外だった上海の若者の働く意識インタビュー、
まとめてみます。
名前:ユー
年齢:23歳
職業:大手スポーツメーカー システム管理
ユーさんは現在、
上海の大手スポーツメーカーでシステム管理の仕事をする、
新卒1年目の女性です。
会社での労働時間は9:30~18:00。
日本の一般的なそれとあまり変わりません。
終身雇用の存在しない中国では、
転職は一般的だと聞きました。
学生時代は、ファッションブランドでアルバイト。
時給16元(¥260)だったということにはかなり驚き。
この金額も平均です。
現在の1ヶ月の給料は5000元(¥82000)の暮らし。
住み込みで工場で働く中国人の月収
3500元(¥57500)と比べれば、
もちろん低くはない。
けれど、街中を見渡して、
物価が日本と大きくは変わるわけではない中国都市部で、
決して大きな額には思えません。
ただ、結婚するまで、またはしても、
同一親類と住むという中国の一般的スタイルを考えると、
決して生活が苦しい収入とも言い切れないのかもしれません。
上海の就活事情 - やりたいことが、わからない?
上海では(中国は広すぎておそらく地域ごとにシステムが異なるので、上海と括ります)、
大学4年次に日本と同じように就活し、
そこから新卒として企業に勤めるのが一般的です。
日本ほどではないですが、
半数ほどの企業の面接では、
就活スーツ着用の、
髪を落ち着いた色にするのは必須となります。
就活では5社受けて2社から内定を取ったというユーさん。
全体的に、
上海の就活は日本や韓国のそれほど殺伐としていない印象を受けます。
上海でも学生に人気の企業は、
決まって名の知れた企業、
そして給料のいい企業。
しかし、ユーさんが現在の会社を選らんだ理由は、
意外なところにありました。
ユー:何もやりたいことがなくて、何が自分に向いているかわからなかったんです。だから、内定を取った2社は辞退して、友達から紹介された、今の会社にしたんです。
特に現在の企業に魅力を感じたわけではなかったというユーさん。
しかし、何もやりたいことがないときに、
友人の紹介という安心感が、
決め手になったと言います。
親が決める、ライフコース。
別の話題で、ユーさんはこんなことを言いました。
潤p:ユーさんは、経済学部出身って言ってたけど、なんでその学部にしたの?
ユー:お母さんが決めただけ。
しきりに、母親が厳しい厳しいというユーさん。
ユーさんのすること全て、
生まれた時から母親が決めてきました。
ユー:中国の子供は、勉強ばかり。平日も勉強、週末も勉強。それも、全部お母さんの言いなりです。
一人っ子政策により、
親による子供への過剰な干渉が問題であると、
以前どこかで読んだ気がします。
いい大学にいってほしい。いい仕事をしてほしい。
もしかしたら、やりたいことがわからないというユーさんは、
そんなプレッシャーに苛まれる、
1人の中国人若者の代表なのかもしれません。
日本への留学が夢 - 「自由な国」日本へ
実は、日本語が喋れるユーさん。
独学で勉強したという日本語と英語で会話は続きます。
ユー:日本に留学にいきたいの。だって、日本の学生ってとっても楽しそうに見えるから。あと、留学して早く一人暮らしがしたい!
日本のファッションや文化に興味があるという以上に、
日本人の若者が自由に見えることから、
日本へ強い憧れをいただいているというユーさん。
過去の学生時代や、
現在にも、自由を感じられていないというユーさんの目には、
日本の学生や若者は極めて自由に映るようです。
親からの過剰なプレッシャー。それによって生まれる反発心。
そんなものを抱えながら生きる、
高度に発展し続ける上海の、
若者の等身大の姿があると思います。