【東アジア総まとめ】近くて遠い、東アジアの国々。それぞれの国で、「活きる」「働く」
<上海の大学生たちと>
ものすっごく近くて、
ものすっごく遠い東アジアの国々。
旅の最初の目的地東アジアには、
1ヶ月弱、2カ国、4都市に滞在してきました。
<東アジア>
期間
4/15~5/5
訪問国
韓国 / 中国・上海 / 中国・広州 / 香港
でっかいアジアの端っこ、東アジア。
アジア。
その言葉だけでは全く一括りにできない物凄くでかい地域。
インドや下手したらロシアなんかも含まれて、
容姿、文化、宗教を考えても、
一色単にアジアとまとめてしまうのには無理があります。
おそらく、広いアジアの中で、
僕ら日本人が属しているエリアは東アジア地域。
世界ぐるりと見渡して、
同じ顔してるのって、
ここの地域の人だけですもんね。
モンゴロイドには新古あるみたいですけど、
一般的にモンゴロイドとか黄色人種って言われる、
モンゴル、中国、韓国、台湾、日本に住んでる人たちのことです。
同じ顔してる人たちが住んでるところ。
そんな東アジア地域、
何より(日本人にとって)旅は物凄くしやすいです。
その1番の理由は、
皆同じ顔してるから。
多分、どこか不安感のない、
自然な安心感が生まれます。
そして、宗教的バックグラウンドや、
言語の共通点も見つけられたり、
文化的にも1番近しい外国と言う感じ。
中国 - 韓国 - 日本の順番で近い気がしていて、
韓国の生活のしやすさは尋常じゃないですね。
まず、日本語しゃべれる人が多いし。
東アジア地域の食事も、
日本ではお馴染みの食べ慣れたものばっかりで、
その点でも困ることはありません。
一緒に話してみるのが一番手っ取り早い。
ヨーロッパ人や中東の人はもちろんの事、
他アジア地域の人たちと比べても、
東アジア人と話す時って、
明らかにテンションが日本のそれと似てるところがあるんです。
近くて、めっちゃ遠い国々。
しかし、逆に考えれば、
こんだけ同じ顔してる人達でありながら、
よくよく観察すると全く異なる価値観や生活感の元に生きています。
その国や地域ごとに抱える政治的問題は様々であったし、
社会の中での不安もそれぞれ。
身近なところで言えば、
女性の化粧の違い。
多分国ごとに微妙に美意識がずれているところがまた面白かったり。
とくに若者の就労環境、就職意識に注目してフィールドワークを行っている潤pにとって、
これら各地域の若者がもつ特徴、抱えるそれぞれの不安はとても興味深いものばかりでした。
訪れた場所を、
完全なる主観とあまりに標本数の少ない考察ながら
勝手に分類してみたのが以下のグラフです。
就活意識とライフコースの散布図
就職活動の厳しさとそれに同調する社会からのプレッシャーを縦の軸に。
ライフコースの描き方を横の軸に据えました。
ライフコースの描き方は、
自発的に将来を模索する姿勢が強く見られた場合積極的選択と位置づけ、
他者依存的な自己のライフコース選択を行っているケースが多かった場合消極的選択と位置づけました。
もっとも就活環境が厳しいと感じたのは韓国。
ついで、少数先鋭の厳しい競争が展開される香港。
上海の若者は比較的、就職活動へのプレッシャーを感じてはいない反面、
自発的にライフコースを描けない消極的選択を取っているケースが見受けられました。
英語力とアイデンティティ相関図
単純な英語力と、
自国に対するアイデンティティ意識、
つまり「母国愛」を相関させたグラフです。
不思議なことに、
自己のアイデンティティを強く持っている香港や韓国の若者ほど、
英語力が高い印象を受けました。
東アジア各国の特徴。
下に、僕が感じた国と地域ごとの特徴を
「働く」をキーに簡単にまとめてみます。
他者との強い絆から生まれる、厳しい競争社会 - 韓国 -
現在訪れた国の中では、
最も全ての面で1番日本にちかしかった韓国。
しかし、彼らの価値観や生活は似て非なるものである面白さ。
日本同様の新卒主義システムを有する韓国ですが、
その厳しさは日本の就活を凌ぎます。
その根底にある思想、
それこそ韓国らしい「文化」でした。
韓国人のライフスタイルを見ていると、
生活の至る場面で相手との「絆」を確かめる局面が多くあります。
例えば、日本以上の目上の人への敬いや、
お酒の飲み方のバリエーション、
至るところで他者を強く意識した生活をしています。
その結果、彼らの意識下にある「見栄」
親しい他者と近すぎるが故に少しでも良い自分を見せるための競争。
学歴、職歴、さらに兵歴などは、
彼らの人生を決定づけるとても重要な要素です。
そんな彼ら、
一度仲良くなると、
ものすごく距離を縮めてくれます。
心を開いた人を本当の家族のように接してくれる。
一人っ子政策と裕福化が生んだ、若年層の「夢」消失現象 - 上海 -
上海の大学生に、
「なんでこの大学の学部入ったの?」
と聞くと、
「うーん、、、、」
となることが多い不思議。
中国の一人っ子政策と、
経済成長による中間層の増加から生まれた、
親による過度の子供への干渉。
子供のライフコースは全て親によって敷かれるようになりました。
その結果、「夢」を失ってしまった子供たち。
しかし、その特徴は、
中間層の家庭の子供に多く、
家庭の経済状況からどんなライフコースを選んでも構わない裕福層と、
必ず裕福になりたいと願う地方出身の貧困層の家庭の子供は、
比較的積極的にライフコースを描いていく傾向にあります。
未だ自分のライフコースが見えていない若者と、
知らず知らずのうちに娘にもレールを敷いてしまったいたかもしれない親の
二つの世代への出会いで上海の「働く」が見えてきました。
東アジア最強のエリート集団、揺れるアイデンティティ - 香港 -
香港に暮らす人々に、
あなたは何人ですかと聞くと、
「香港人です。」
と答える。
中国の一部でありながら、
歴史、文化、言葉も全て異にする香港で暮らす人々は、
東アジアにありながら非常に欧米的感覚を持った人たち。
同世代の18%しか大学に行けない制度や、
教育システム自体、
幼い頃から競争社会に晒されて育つ若者たち。
そのため、東アジア一番のエリート集団である香港の大学生たち。
しかし、同時に、
自分たちのアイデンティティを強く大切にしている人たちでもあります。
非常にグローバルな思考を持ちながら、
一方でとても自分たちに誇りを持ち生きています。
そんな彼らを一言で言えば、
「意識の高い東アジアライフコースと、欧米ライフコースの中間」
の人々。
まとめ
これだけの地域でも、
それぞれの社会にある事実は、
どこも一括りにアジアな訳でわないのです。
ただ、根本的に「働く」に関して言うと、
保守的な傾向や、
他者依存的な意思決定の方法は、
共通する部分が見受けられます。
何はともあれ、
ここまでは旅もイージーモード。
本当に別世界に飛び込まなくちゃいけないのは、
多分こっからです。
こわっ