潤pの、就活やめて、世界一周することにしちゃった。

2016/4/15から始まった、世界中の「働く」を探るプロジェクト! 日本の「就活」と「働く」ことに息苦しさを感じた「現役就活生」潤pが、世界の同世代と出会い、就活事情と労働環境、そのライフコースを取材、配信し、 帰国後に電子書籍化するプロジェクト。

カンボジア人の若者の、全く新しいライフコースの描き方。「日本語」に人生を変えられた1人の若者の人生観。

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2年前にシェムリアップ日本語学校、一二三日本語学校で出会った青年、

ワット・ソへイン、
ニックネーム、チエネツ。

未だ19歳でありながら、
日本語学校随一に優秀な好青年です。(イケメンだよ!)

彼の人生を変えた「日本」との出会いとは一体どんなものだったのか。

カンボジアの一大観光地、
シェムリアップに生きる若者の人生、
追ってみました。

 

名前:ワット・ソへイン(チエネツ)
年齢:19歳
職業:日本留学申請中、日本語通訳

 

日本への留学申請中!

前回記事より、世界中で講演会活動を行う剛さんの通訳として
現在期間限定で働いているチエネツ。

しかし同時に、日本留学ビザを申請中の身でもあります。

 

すでに日本への国費派遣留学生の申請を、
あと一歩のところで逃してしまった経験のある彼。

高校の時の成績を含めた書類審査、
数学と英語と日本語の3回の筆記試験、さらに面接と、
3次試験までいきながら逃してしまったと教えてくれます。

500~600人いた中で6人しか受からない厳しい競争。

 

チエ:カンボジア人が日本に留学にいくことは、ビザの関係でとても難しいんです。

 

世界中基本的にどこにでも行けると言ってもいい日本人(日本のパスポート)。
その逆に、外国人(特に発展途上国に分類される地域の人々)が日本に訪れることに対しては、
かなり厳しい規制がされていることも多いです。

 

今回は新たに他留学形態で学生ビザの承認待ちにあるチエネツ。

今回の留学に強い希望を持っています。

 

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彼の驚くべきところは、
その若さに比例しない日本語力と優秀さ。

 

少しシャイなところも持ちながらも、
皆んなからも、先生からも絶対的な信頼を置かれる一二三日本語学校の優等生です。

 

シェムリアップ日本語ガイドであった叔父の勧めで
高校1年生の時から日本語を学び始め、
すでに5年間学習しているというチエネツ。

 

他の通訳の仕事を1年ぐらい行ったり、
日本人観光客向けのお菓子屋さんで1年半以上働いたり、
積極的に第二外国語の獲得を行ってきた彼の日本語は、
努力の上に成り立っていると言えます。

 

ガイドになりたくない。 新しいライフコースの選び方。

チエ:前は日本語ガイドになりたいと思ってました。けど、今は違います。自分の日本語レベルが上がっていくにつれ、日本語ガイドという夢は変わっていきました。

日本語ガイドはお客さんの数によって変わるとても不安定な仕事です。

しかも、シェムリアップでガイドの仕事をもらうのは全てコネです。人とうまくやることが1番大切で、能力があっても意味がないとわかったので、日本語ガイドにはなりたくないと思いました。

 

一生顧客に対して頭を下げ続けなければならないその仕事に
興味がなくなったと語るチエネツ。

 

しかし、この考え方は現在のシェムリアップではとても「先進的」な考え方だといえます。

日本語学校に通うほぼすべての生徒の目的は、
まさに日本語ガイドになること。(または日本で働くため。)

観光産業がすべてのシェムリアップで、
それ以外の仕事で生きるという選択肢は普通、
ほぼ眼中に置かれません。


では一体なぜチエネツはそのような選択をしたのか。

そこには彼と「日本語」との出会い方が関係していました。

 

一二三先生の教え。

チエ:昔、日本語学校でのど自慢大会が開催されたことがあるんです。僕はもともと出たくないっていったんですけど、一二三先生が勝手にエントリーしちゃって(笑)でも、以外と出てみると面白かったんです。一二三先生からは、チャレンジすることの大切さを教えてもらいました。

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しきりに、一二三日本語学校校長の一二三先生への感謝を述べるチエネツ。

一二三先生から学んだ様々なエピソードを教えてくれました。

 

実際に、潤pが日本語学校を訪れた際も、
チエネツに我が子のよう接する一二三先生の姿がとても印象深い。

生徒と対等な関係から、
日本人として文化学習から言語を学んでいくことが行われていること学校での学びは、
チエネツのライフコースにも大きな影響を与えました。

 

厳しい反面、
チエネツの人格を育て上げたのは、
間違いなく先生であると言えます。

 

チエ:一二三先生から、気を使うことを学びました。カンボジアにはあまりないものです。

 

一二三先生流の、
また国際日本文化学園 一二三日本語学校の方針のもと、
日本語だけでなく、
日本人として魂から鍛え上げられているからこそ、
今のチエネツがあると言えると思います。

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チエネツの夢は?

潤p:チエネツの夢ってなんなの?

チエ:お金は儲けはしたくないですね。ただ
いろんなことをやってみたいです。社会貢献をして、ここに日本語学校をつくりたいと思っています。

 

カンボジアの人の口から、
まさかお金を儲けたくないという言葉がでてくるとは。

正直カンボジアの若者で、
彼自身も決して世界標準で経済的に豊かであるとは言い切れない立場にありながら、
お金よりも社会貢献を優先するという考えは非常に珍しい。

一体なぜチエネツがそんな考えに至ったのか考えてみると、
答えは簡単で、やはり一二三先生からの教えが息づいているからであると言えます。


この学校でのカンボジアにはなかったある意味で先進的な道徳教育は、
「貧困から抜け出そう」だけを至上命題としてしまう一般的なライフコースからの解放を促して、
彼の人生の中で明らかな新しい生き方を提案させました。

その結果、カンボジアでは一般的ではない、
経済活動から抜け出たより自由なライフコース決定を可能にさせたと考えられます。

 

確かに、観光産業に頼りきりでは、
あまりに不安定で、発展性はほとんど見込めません。

そこに、発想力や価値観という面から新しい風をカンボジア人自ら吹き込ませるという一二三学校の取り組みに、
そこにこそ本当の「ボランティア」(社会貢献)としての存在があるのだと思います。

 

観光産業だけに終わらない、
新しい世代の担い手の1人であるチエネツ。

かならず将来、いやすでに?
カンボジアを背負って立つ人物になることはまちがいないでしょう!

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