潤pの、就活やめて、世界一周することにしちゃった。

2016/4/15から始まった、世界中の「働く」を探るプロジェクト! 日本の「就活」と「働く」ことに息苦しさを感じた「現役就活生」潤pが、世界の同世代と出会い、就活事情と労働環境、そのライフコースを取材、配信し、 帰国後に電子書籍化するプロジェクト。

【カンボジア・シェムリアップの就活】限界に向かうアンコールワット大観光地の、若者たちの新しい生き方。

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ガイドになれば大金持ち!?

子供でも英語は当たり前!?

カンボジアの特殊な街、
シェムリアップで「働く」「生きる」。

いつまでも、「貧困」とされないために、
新しいシェムリアップでの生き方とは?

 

 

カンボジアにあってカンボジアではない街? 

カンボジアシェムリアップの「働く」を考える際に、
前提としなくてはいけないこと。

それはシェムリアップの特殊性です。

シェムリアップカンボジア一大観光地

カンボジア地域では考えられないお金の流れと、
毎日大量に流れ込む外国人は、
当然そこで暮らす人々の人生選択や価値観にも大きな影響を与えます。

特に、その西洋化は一度街の中心地に降りれば一目瞭然。

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パブやクラブが立ち並ぶ中心地の様子だけでなく、
そこで働くカンボジア人達も、
少なからずその影響からカンボジア人らしくないライフスタイルを歩んでいる人もいます。

ex)この記事(http://jumpeikobayashi.hatenablog.com/entry/2016/06/13/124017)のジョンのような。

 

まず念頭に、ここは
カンボジアにあってカンボジアではない場所」
であるのです。

 

この土地で全ての経済は観光を中心に回り、
職業選択における絶対的優位は、
観光産業であることは間違いありません。

 

この土地に生まれて、
ここで生きていこうとするとき、
観光に何らかの形で関わらずに生きることは、
ほとんどありえないと言えるでしょう。

 

シェムリアップで働くための鉄則 - 外国語

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*英語を学ぶ子供たち


シェムリアップにいて驚くのは、
高い英語の浸透率です。

 

ここにいるほとんどの人が日常会話程度の英語は当たり前、
さらに驚くのは小さい子供ですら基本的な会話が可能です。(孤児院の子供達も)

それだけ小さい頃からの英語教育がされているようです。

 

逆に言えば、シェムリアップで英語が話せないことは職にあぶれることを意味します。
→以下記事参照

そして、さらに観光業特にガイドなどになる多くの人は、

英語以外の第二外国語を取得していること。

 

基本誰でもしゃべることができる英語だけでは競争力がないために、
多くの人が、フランス語、スペイン語、韓国語、日本語などを学んでいます。

 

聞くところによると現在最も需要があるのが中国語

 

第二外国語の選択のほとんどは、
その人の親戚など周りの人の第二外国語に依存しますが
例えば東日本大震災があったときなど、
日本語を使う仕事についていたカンボジア人の仕事が激減したなど、
選んだ言語によって不安定なところもあります。

 

シェムリアップの人気職業! ガイドさん。

シェムリアップ1番の職業であるのがガイド

第二外国語だけでなく、
特別な免許の取得も必要なガイドは、
収入面から絶大な人気を誇っています。

 

トゥクトゥクドライバーからガイドへの転職を希望する人も多い反面、
その難しい試験に苦戦する人も多いです。

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トゥクトゥクドライバーからガイド試験を検討するオカさん


事実、日本語学校で調査した際もほとんどの生徒が日本語を学んでいる理由として挙げたのが「日本語ガイドになりたいから」。

 

ガイドになる方法は、試験通過とともに、
その年のガイドの需要が関係しています。

その年に、フランス語のガイドは何人必要だから、
何人しか採用しないとか、
日本語ガイドはもう十分いるから、
今年は採用しないとか、
どれだけ勉強していても運によるところも多いといいます。

 

誰が本当にお金を儲けているのか?

f:id:jumpeikobayashi:20160628201006j:plain*不動産業に転向したAさん


シェムリアップの街外れで、
ある経済的成功者のAさん会いました。

 

潤p:Aさんはどんな仕事をしているんですか?

A:不動産の仕事です。もともと僕も観光関係の仕事をしていたんですが生活が苦しく、なけなしの貯金をもとに不動産の仕事に移ったら、今の生活に変わりました。

 

どこの世界も不動産は儲かるのか。
シェムリアップでは、そうした一部の不動産投資家が資本を独占しているという構造もあるようです。

 

潤p:今のシェムリアップの若者の就職状況を教えてください。

A:ほとんどの若者がベトナムかタイに出て行ってしまいますよ。街には若者が全然いない。

 

つい最近まで観光業が全てだったシェムリアップも、
情報社会化に伴う職業選択の自由化により、
多くの若者が観光業以外の選択をするようになりました。

それはつまり、シェムリアップの外に出ることです。

 

シェムリアップの魔力とその矛盾??

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シェムリアップの大学生

それでもなお、シェムリアップには強い人を惹きつける魔力があります。

世界中から毎日大量の旅行者に、
熱り立って飛び込んでくるボランティア、
そして、カンボジア中から仕事を求めてやってくるカンボジア人達。

お金の動きがあるシェムリアップは、
カンボジア人にとっても大きな魅力があるのです。

 

しかし、ここで興味深いのは、
カンボジア中からシェムリアップに労働を求めて人がやってくる反面、
シェムリアップで生まれた人は、
シェムリアップの外に出て行くという事実。

この、矛盾は一体どこにあるのか。

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職不足や経済不安に苦しむカンボジアの地方出身者は、
労働力を求めてシェムリアップにやってきます。

それは単純に、
お金の動きのあるシェムリアップに来れば、
地方よりも働き口があるからです。

 

一方、地方よりも比較的裕福で、学歴もそれなりにあるシェムリアップ出身者は、
観光業という職業選択があるなかで、
よりよいライフコース選択のために海外に出る傾向があるようです。

 

限界を迎えつつあるこの世界的観光地、これからの「働く」

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シェムリアップの大学生

今後、シェムリアップは一体どんな方向に向かっていくのか。

上の2つのパターンの他に、
また別のパターンの存在もありました。

 

この記事

のチャイのように、

首都出身の裕福且つ高学歴な若者は、
シェムリアップを1つの新しいマーケットとして、
そこに観光業以外のビジネスを描き出そうとしているという、
先進的なパターンもありました。

 

さらに、前回記事の 

チエネツを例に、

観光業を一度志ながら、
そこに将来性を感じられず、
新たなキャリア形成を模索する若者もありました。

 

チエネツの言うように、
観光業にだけ頼り切った生活はとても不安定であるといえます。

事実、カンボジア中から集まりすぎた労働力のせいで、
逆に仕事が不足しているという面も挙げられます。

(ex増えすぎたトゥクトゥクドライバーなど)

つまり、シェムリアップのあまりに増えすぎた観光業は、
変化を迫られる岐路立たされていると僕は感じました。

シェムリアップという街も、
観光業だけが全てという構造からの変化が今後必要なのかもしれません。

 

そんななかで、チャイのような学歴だったり、
チエネツのような「カンボジアの当たり前を疑う視点」だったりが、
今後のシェムリアップを背負っていく若者たちの
原動力になっていくのではないでしょうか。

 

カンボジアでありながらカンボジアではないこの街は、
やはりフィールドワークの飽きさせない、
知れば知るほど面白い場所であります。

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