潤pの、就活やめて、世界一周することにしちゃった。

2016/4/15から始まった、世界中の「働く」を探るプロジェクト! 日本の「就活」と「働く」ことに息苦しさを感じた「現役就活生」潤pが、世界の同世代と出会い、就活事情と労働環境、そのライフコースを取材、配信し、 帰国後に電子書籍化するプロジェクト。

発展途上国から先進国へ。忙しすぎるバンコクで、「働かない」という生き方。

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タイのバンコクを訪れると、その都市っぷりに驚かされます。東南アジアと聞くと、未だに発展途上の未開拓世界だとイメージする人もいるかもしれませんが、ここバンコクに関しては、日本の都市部と変わらない生活が送れます。

 

世界的にもいち早くゲイカルチャーを発展させたり、インドシナ半島の中心にあり古くから地続きで様々な民族と共存してきたバックグラウンドを持っていたり。オープンな様相を持ったタイだからこそできる発展。

 

高層ビルもばんばか立ってるし、電車網にブランド志向の若者たち。絵に描いたような近代的な都会がそこにはあるわけですが、そこが不思議な国タイ。これだけ都市化しているのは、タイの中でもここバンコク一箇所だということです。

 

第二の都市、チェンマイなどの北部の都市を訪れても、未だにのどかな雰囲気に包まれていて、どうしてバンコクが一人歩きしてしまっているのか不思議なギャップを感じずにはいられません。

 

つまり、ここに住む人たちの価値観やライフスタイルは、タイ人ではなくバンコク人として捉える必要があります。それだけ地方との格差が大きい国、それがタイなのです。

 

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これだけ成長に成長を重ねていくバンコク。たくさんの工場や畑も有し、東南アジアの中心地として、周辺諸国経済を回す拠点都市。

 

そしてそこに住む人たちも、どんどんと近代化されてきており、経済や街の様相だけでなく、人々の考えも含めて、ここは、発展途上から脱却する寸前まで迫った、末期発展途上のプロセスにあるといえます。

 

それはつまり、人々がもとの東南アジアの田舎でどこでも見受けられる様な、一日中、軒下でボーと寝っ転がって商売してるおっさんが、スマフォ片手に毎日を忙しく行き来する、そんな世界に生まれ変わってきているということです。

 

今回のバンコク滞在で接した多くの人々も、バンコクを「忙しいところ」と指摘した通り、その近代化は著しい。

 

そんな中、この忙しい街にありながら、今回、面白い体験をしました。

 

バンコクの中心で、「仕事をしない」で生きる。

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名前:ジェッキー
年齢:不明
職業:airbnbホスト&料理教室運営


今回のバンコクで宿泊した
airbnb民泊のホスト、ジェッキーさんはバンコクにあってバンコクらしからぬ生き方をしている1人です。

ジェッキー:バンコクの人達は、毎日毎日時間に追われて皆んな忙しい日々を送ってます。私はそれよりも、今をゆったり味わって生きていきたいから、別のライフスタイルを選びました。

 

実はジェキーさん、仕事といえばこのairbnbの運営ぐらい。あとは毎週末に行っている料理教室。

 

旦那さんのスペイン人、ビクターさんと愛ネコのライオンとともに、ゆったりと毎日を過ごしています。

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*料理教室の準備をするジェッキーさん。

 

隣人:ハーイ!ジェッキー!

 

毎日の光景。隣人が暇つぶしにやってきます。

 

ジェッキー:どしたの?お昼ご飯一緒に食べる?

隣人:いやー、もう食べて来たよ。それより昨日アメリカドラマにはまってさぁ、、、


 

ここ周辺には、フランス人、アメリカ人など多国籍な人たちも住んでいて、フラリと勝手にジェキー宅の庭でタバコを吸っていたりします。

www.youtube.com

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*料理教室の様子(たくさんの人が料理をしにやってくる)

 

潤p:お金は、正直大丈夫なんですか?

ジェッキー:その日生きる分のお金があれば問題ないですよ。それよりもこうやって、ずっとながく友達たちと生きていきたいの。

 

実は、以前政府機関で働いたキャリアや、それ以前もビジネスウーマンとして第一線で働いていた経験を持つ彼女。育ちもインターナショナルスクールというバックグラウンドを持ちながら、現在は自由な生き方を選択しています。

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*友人のレストランにやってきた。

どこに向かうの?バンコク人。

タイ人は、東南アジア諸国の人々の中でも仏教心の特に強い人々です。歩きながらも、バスの中からも、街のいたるところにある仏塔を見つけると手を合わせるし、20歳をすぎた男子の多くは、僧侶になったりもします。(親が幸せになるとされている)


そんな保守的な態度とは裏腹に、以前の記事でも紹介してきた通り、流行好きも多いのが面白いところ。その精神が東南アジアでも圧倒的な成長スピードをもたらしているようにも思えますが、一方で、日本も抱える現代諸国病を発病する、寸前のところに差し迫っているようにも感じます。

 

明るく、お酒とパーティーが大好きで、しかしながら非常に信仰心が強く、そこから来る他者への慈しみも持っている彼らは、かつて日本もあゆみ、現在その限界が爆発しかかっている同じプロセスを追いかけようとしているのかもしれません。
 

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ジェッキーさんたちの温かなコミュニティから一歩足を踏み出すと、そこはクラクションが鳴り響きまくり、たくさんの人が消費社会に没入していくバンコクが、今日もまた成長の一途をたどっています。

 

成熟しきった日本社会に疑問を抱いて海を越えてきた自分には、このとめどなく成長を続ける大都市が、嬉しくもあり、また複雑な気分にもさせられます。


物凄いスピードで変わっていくバンコクで、変わろうとしない生き方を貫く小さなコミュニティは、今日もそこだけゆったりと時間が流れています。

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