20歳で、大家族を養って生きて行く。バングラデッシュ人のローカルホームお邪魔してきた。
名前:シュボ
年齢:20歳
職業:学生、AGフードスタッフ
街のファストフード店でアルバイトとして働く、バングラデシュの学生シュボ。
これまでの彼らとの話は以前の記事で!
バングラデシュ滞在中、めちゃめちゃ世話を焼いてくれた彼のライフに、触れてみることにしました。
家に招待してくれた!
ある日、もう恒例になったAGフード訪問。
シュボ:ね!潤p!今日、家こない!?
潤p:え!いいの!?ならば、、、是非!!
バングラデシュ、ダッカは、決してメガシティではないのですが、その人口と未発達のインフラのせいで、直線距離でそこまで遠くないはずのシュボの家までも、中心地からバスで1時間半もかかってしまいます。渋滞がやばいねん、、、毎日、、、
そして、扇風機もない満員の車内で、死にそうになりながらやっとどこかの繁華街に着くと、とりあえずお決まりのチャイを飲み、そこから路地に入って、超ドローカルエリアに。
*子供店長のチャイ屋さん
街の人が不思議そうにこの東アジア人の男を見つめてきますが、それもそのはず、外国人の少ないバングラデシュで、もしかしたら初めて見る東アジア人なのかもしれないわけですから。
しばらく悪路をリキシャーで爆走すると、やたらとシュボの顔見知りが多いらしいエリアに入ってきました。
すれ違う人それぞれに挨拶を交わすシュボ。
親戚や、近所の人、ローカルタウンですね。
そして、お邪魔させてもらう、家!
シュボの家には、シュボの父親母親から、おばあちゃん、兄弟姉妹とその家族、さらに居候に従兄弟まで、大勢の人が決して大きくはない屋根の下で暮らしいています。
シュボの部屋はなく、大きなベットで父親とシュボ、他の兄弟と寝ているんだとか。
大家族の皆さんが、興味津々に、暖かく迎えてくれます。
そしてなんと、シュボからの電話で、事前に夕ご飯の支度までしていてくれたそう!
野菜カレーから魚カレーまで豪勢に!そして美味い!
もちろん手で頂きます!
出会ったのは入試開け!
現在20歳のシュボは、今年が高校の卒業年で、現在大学への申請結果待ちです。
高校と言っても、こちらではカレッジと呼ばれ、専門的な教育を受ける教育機関です。一年で授業料12000タカ(15000円ほど)。経営学を専攻していた彼は、また大学でもその方向を志望します。ちなみにシュボは、交通事故で2年間学校に通うことができなかったため、他生徒よりも遅れての進学になります。
バングラデシュでは、大学進学のための入試が存在しています。会ったときは、ちょうどその入試が終わったばかり。まだそわそわしているような時期でした。一回のテストで3000タカ (4000円ほど)から5000タカ(6500円ほど)かかるという金額に、不満も漏らします。
*イスラム教について丁寧に教えてくれるシュボ
バングラデッシュの若者の、生きて行くための人生の軸。
AGフードでも働き者の彼。以前は大手スポーツ用品メーカーで短期のインターンも経験し、自分の将来の可能性を日々探っています。
彼の人生の軸とは、どんなところにあるのか。
シュボ:家族も多くて、14歳の妹に、これから学費もかかってくるんだ。父親の給料だけだと家族全員を養えないから、僕が少しでも貢献する必要があるんだ。
建設業界で働く父親の収入は月に30000タカ(38000円ほど)。そこに、1日300タカ(400円ほど)のバイト料であるシュボの稼ぎも加わります。
彼の家に行ってわかったこと。感じたこと。その家族の多さと、親戚や周辺住民との繋がりが非常に濃密であるということです。その中で当たり前のようにお金は多くかかるでしょうし、それを支えるために、学業の傍らシュボはAGフードで毎日のように働いています。
バングラデシュ人の暮らしを見てみて、彼らはとにかく強い繋がりの中に生きているような人たちに見えました。それは、家族という1つの単位、友人同士という単位、地域という単位、職場という単位。それぞれにそれぞれの深い関係が構築され、そのどれも大切に築いているように感じます。
例えば、AGフードの店長であるアハメッドさんに対し、いつもは楽しく仲良く接しているシュボも、ことあるごとに彼への尊敬の意が見えてきます。飲み食いも彼が始めるまで必ず待っていたり、タバコはかならず彼が吸い終わってから吸ったり、その上下関係をきっちりと守っています。
外国人である潤pに対してもそう。短い関係性かもしれないけれど、常にその関わりを大切に、助けてくれるのはシュボでした。
シュボの夢
シュボ:今のAGフードで働いて、ここの企業理念にはものすごく共感しているんだ。安心安全を第一に、その品質にこだわる経営理念。そんな会社を僕も持ちたい。
そんなシュボの夢は、自分の会社を持つこと。学んできた、そしてこれからも学ぶ経営の力を元に、飲食の会社を持ちたいと言います。
さらに、
シュボ:1番の心の軸は、皆んなを助けたいって気持ちかな。
イスラム教徒のアッラーの元に人々は平等で、皆兄弟であるという考え方に基づくものでもあるように感じますが、いずれにせよ、不満を言わず、お互いに全ての人が家族のように関係性を保つバングラデッシュ人の生き方は、利己優先的でない、利他的なシュボの人生選択の軸にも強くあわられていると思います。
*シュボの友人たちと
毎日のように会っていた、シュボとAGフードのメンバー。最後の日、インドへ立つその日も、もちろん挨拶に行きました。というか、向こうから国境越えのバスターミナルまで連れて行ってくれたのです。
優越をつけるわけではないですが、なんだかこの旅でたくさんあってきた人たちとの別れの中でも、とりわけ寂しい別れ。おそらくそれだけ、彼らとは心から関係を構築できたのだと思います。
別れ際、シュボが寂しそうにこんなことを言いました。
シュボ:もう、これで会うのは最後なのかな。。。?
潤p:そんなことないよ!!!バングラデッシュには必ず戻って来る。その時にまた会おう!
初めて聞いたシュボの口からのネガティブな発言に対する驚きが大きかったけれど、それよりも増して必ずバングラデッシュには戻ってこようという自分の意思のほうが強かったので、最後にこう伝えたのでした。