潤pの、就活やめて、世界一周することにしちゃった。

2016/4/15から始まった、世界中の「働く」を探るプロジェクト! 日本の「就活」と「働く」ことに息苦しさを感じた「現役就活生」潤pが、世界の同世代と出会い、就活事情と労働環境、そのライフコースを取材、配信し、 帰国後に電子書籍化するプロジェクト。

【韓国の就活事情】韓国人は意識高い?

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外国人就職意識インタビュー。
今回は韓国人のKimさんに韓国の就職事情をインタビューしてきました。

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韓国の大学を1年休学して、
日本に留学に来ているKimさんの夢は、
航空会社に勤務すること。

そのため、観光学部で日々、
観光業や交通、ホテル経営などを学んでいます。

驚くことに、Kimさんは、
日本生まれ日本育ちの韓国人女性。

日本語もペラペラな彼女は、
韓国人でありながら、
韓国の価値観を日本的な目線で客観的に見ています。

韓国の就活事情

韓国も日本と同じく春から就活がスタート。
説明会から始まり、
9月頃からエントリーが開始。
しかし内定の結果は卒業間近の3月頃に発表されるという、
就活生にとっては気が気じゃないようなシステムだそう。

韓国も日本と同じ、
世界でも珍しく新卒内定が一般的に存在する国です。

壮絶な競争社会を生き抜くための「休学」

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韓国の大学生は留学に行く人も多く、
長期インターン参加は当たり前で、
ほとんどの人が英語を話せる。
そんな話を聞いていると、
韓国の大学生はやたらと意識が高い!
と思います。

でもその裏には、
韓国ならではの事情がありました。

壮絶な受験戦争でも有名な韓国。
その戦場は就活でも同じく、
日本より遥かに厳しい就活事情があるらしい。

厳しい就活に勝ち残る手段は、
ずばり、自分だけのスキルを磨くこと。

そのため、
ほとんどの人が在学中に休学をして、
留学に行って英語を学んだり、
インターンシップにチャレンジしたり、
様々なスキルを身につける活動に励むんだそう。

日本が好きで留学に来ている自分とは、
目的が少し違うとKimさんは言います。

英語が話せることは就職においての絶対条件で、
インターンも短くても1ヶ月からの、長期インターンが多く、
大学生も人よりより高いスキルを身につけて就職することが求められるそう。

就職を有利に進める「兵役」

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そして韓国でもう1つ日本と決定的に異なる点に、
兵役の存在がある。

大学2年になる前に軍隊に入り、
2年間の兵役を送ることが一般的で、
ちょうどKimさんの学年は軍隊から復学した男子学生が
多く戻ってくる時期です。

厳しい大学受験で浪人する人も多く、
同い年の人が同じ学年にいること自体珍しいことだといいます。

兵役は就職においても、有利に働くそうです。
そもそも韓国では、兵役を出ていなければ男として見られないといわれるほど、
社会的な意味は強く持っているようです。

韓国での就活をやめたKimさん

「日本の大学生って幸せそう」
Kimさんはポツリとこぼしました。

勉強ばかりで、
常に競争社会にさらされているという韓国の大学生活。

サークルや体育会など、
好きなことに純粋に打ちこんだり、
楽しめる環境ではないんだそう。

韓国と日本の就活を目の当たりにしたKimさんは、
韓国では就活をしたくなくなったといいます。

Kimさんは韓国人でありながら、
韓国での当たり前が当たり前でないある種特別な存在です。

長く日本で育ってきたため、
精神の深いところには日本的な要素が少なからず染み付いている。

そんなKimさんにとって、
韓国の大学生として生き、就活を迎えることは、
違和感を感じてしまうものだったのかもしれません。

厳しいとは知っていたけれど、
ここまで競争社会が徹底されているとは思いもしなかった潤p

休学や留学、インターンが当たり前の状況に、
「えーすげぇ、韓国人皆意識たけぇなぁ」
と一瞬思いましたが、

それが全て就活における武器のために行われるということに、
少し恐ろしさも覚えました。

休学費も無料が当たり前の韓国の大学に通うKimさんに、
日本では休学自体あまりないし、
休学費もかかって大変だよと伝えると、
かなりの驚き。

以前オランダ人に、
日本では休学や留学が一般的でないことを伝えた時、
非常に驚いていたけれどしかし、
2人の驚きの理由は本質的に違うような気がします。

休学することがシステムとして組み込まれているオランダをはじめとするヨーロッパ諸国と、
厳しい就職環境を生き抜くため、自分の武器を1つでも増やすために休学が推奨される韓国。

オランダ人驚きの理由
→(純粋に)こんな素晴らしいチャンスなのになんで休学しないの!?

Kimさん驚きの理由
→休学してスキルを身につけなくて、就職できるの!?

同じものに見えてもその背景は違う。
2人の驚きの差はそこにあるような。

一見日本と同じような就活システムを取り入れながら、
遥かに現状は厳しい韓国。

究極的な競争社会はある意味で近代的にも見えますが、
比べてみれば、日本はまだまだ穏やかな就活環境にあるのかと。

こんなに近い国でも全く異なる環境が、
韓国には「当たり前」として存在しているようです。

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