インドの列車は定刻通りに来ないのは百も承知だけど、10時間の遅れはさすがにやばいっしょ。
コルカタを一通りかっさらった潤p。
1ヶ月でインド沿岸を東西南北ぐるりと舐め回すというこのインド旅の、第二の目的地はヒンドゥー教の聖地、バラナシ!
ガンジス川が流れ込む聖域として名高いこの場所は、全国からインド人も集めるインド屈指の巡礼地です。
インド旅行の基本移動は列車。
だだっ広いインドを縦横無尽に駆け巡るインド鉄道に乗車して、何十時間も揺られる旅も楽しいんじゃないかと、コルカタからバラナシへの移動でついに列車を使います。
今回は、他日本人2人を合わせた3人での移動。未開の土地はやはり同国の人とさまよえば安心というもの。
ゲストハウスを出て、一行が向かうはコルカタのハウラー駅。
*ハウラー駅
人口爆発でそこらじゅうが人だらけのインドで、駅は特に混雑する場所の一つです。
7時発の列車を目指し、一行は駅に入ります。
潤p:お、時刻掲示板あれじゃないっすか?
Aさん:プラットフォーム確認しますかー。
Bさん:ん?ん??、んんん?????
潤p:これって、、、
Aさん::う、うむ。
プラットフォームナンバーが掲示されていない掲示板。
それはつまり、列車の遅延でこざいます。
ならばいつに来るんだと、受け付け係の人にアスクです。
潤p:いつバラナシ行きの電車来るっすか?
受付:あ、明日の朝5時っすよ。
潤p:は!?
海外に来ると、自分が心底日本人であることを認識することが多々有ります。
交通機関の15分の遅れでもやきもきしてしまう自分に、あぁやっぱ日本人やなという具合に。
そのためまず、この思考回路を根本的に転覆させる必要があるのです。
どんなに遅れても、どんなに待てど、怒らない。焦らない。
しかしだ、しかしやしかしや、おまえ、明日の朝て。おい、てめぇ、おいこらクソ鉄道会社、10時間後ってどういうことだ冗談にもほどがあんぞ。
さて、どうするか、一度ゲストハウスに戻るか、、、いや、、、5時ってことはゲストハウスを遅くとも4時に出なければならなくなる。そのために戻ってまた一泊するのはあまりにもアホらしい。。。
そんな時、目に飛び込んでくる、周りの景色。
インド、、、、人、、、、
皆んな駅で、、、、、
寝てる!!!!!!!!!
ということで、我々一行は腹を括り、このコルカタの駅で、インド人になろうと心に決めたのです。
しかし、この治安の悪いインドの、しかもセキュリティなんてあったもんじゃないこの駅で、一夜を過ごすのは猛獣たちの巣食うサファリパークで全裸で野宿するのと事同じ。
いつ何時魔の手が迫るかわからない。
しかし、やってみるしかありませんということで、できるだけ扇風機の当たるところを探し、そこにベースキャンプを設置いたしました。
これが今回の潤pたちの本部。
3人のバックパックをチェーンで括り、一箇所に集め、万全の体制を整えます。
それにしても、こんな場所まで来て、自分は何をしてるんだ。
蛍光灯の照りつける構内で、常に人の行き交うその床で、暇を極めるこの一夜、待てど待てど時はたたず、、、
先生、これは、苦行ですか?
しかし、人間とは不思議な生き物で、徐々に、徐々にではあるけれど、環境に適応していきます。
隣のベースキャンプにいたインド人の子供と指のゲームしたりして暇をつぶしているうちに、長い10時間も朝を迎えているようなのです。
*隣のガキと
そして、、そして、、、!!!!ついに列車がやってきた!!!!!!
とりあえずスタート地点に立てただけなのに、めっちゃ嬉しい一行。
飛び乗るように乗車。
これで一路、バラナシを目指せるわけです。
さらなる試練。いつになったらバラナシにつけるの?
インドの列車は、意外と快適で、もちろん寝台のベッドで、気持ち良く眠りにつきます。
よし、これであとは、終点のバラナシまで、テキトーにまってりゃつくわけね。
就寝。。。
ふと、急に誰かに足を突いて起こされます。
だれじゃ人の快適な眠りを邪魔する輩は。
車掌:おい、坊主。てめぇらどこいきやがる?
潤p:は?バラナシっす。
周辺のインド人静まり返り顔を見渡す。
車掌:もう、バラナシすぎたで!!!!!!
ぇええええええええええええええ!!!!!!!!
終点じゃないの!?
話によると、バラナシは一時間前にとっくに通過して、今はそれをさらに西に来たところにいるという。
どうすんのよ!
どうすんのよううううう!!!
とりあえず、言われるがままに荷物をまとめ、次の駅で降りて、逆の電車を捕まえろと。
そんな簡単にいくんかいな!?
そして下された次の駅。
なんちゅうことだ、真っ暗のちょう度ローカル駅じゃねぇか。
めっちゃ怖い。
もし1人だったがマジで死んだかと思った瞬間でしたが、こんな時仲間がいると不思議といける気がします。
そして、30分ほど待つと、マジで反対路線に列車が来た。
有無を言わさず乗り込みます。
はぁ、もう疲れた。本当に疲れた。
そして来た道を一時間逆戻り。
やっとこさ、バラナシ駅に着いた時には、もう体がぼろっぼろ。
今襲われたらマジで死ぬで。
そしてなんとか、目当てのゲストハウスに到着し、長い長いこの移動が、ついに幕を閉じるのです。
数えてみると、本当ならコルカタのゲストハウスを出てから、15時間ほどで着くものを、30時間ほどかかっての到着。
倍やん。
1日以上移動しっぱなしと、体力の限界にチャレンジするなんという大移動。
いやいや本当にお疲れさまでした。
そういえば、床に寝るの、冷たくてちょっと気持ち良かった。