歌って踊る、叫んで楽しむ、インド人達とインド映画観てきた。ラジニカーントのカバリを観よ。
地球の歩き方は、やはり、天才だと思うわけです。
完全無知のノープランでその国その都市に降り立っても、この一冊さえあれば、必ず道端で飢え死ぬことはない。
1つのクライマックスであるインドを楽しむために、唯一持って来た地球の歩き方インド編。
じっくり読んでいると、この歩き方、やたらと1つのことを勧めてくるのです。
インドで映画を観ましょう。
年間の映画生産数世界一とよく聞くインド。
歌って踊るインド映画を、是非ローカル映画館で観ろって、歩き方がやたらと言うもんだから、渋々行くことに決めたのです。
どこの映画館でみよーかな。
宿の近くでちょちょっと検索しただけでも、めちゃめちゃ映画館ある!
そこらじゅう!
とりあえず、何箇所か映画館を事前にチェック。
建物の見た目はもちろんのこと、それぞれやっている映画が違うわけです。
そして、値段もマジでピンキリ。
ある映画館は日本並みの代金取るくせに、ある映画館は¥300以下で観れるわけ。
貧乏人の潤pは、とりあえず最安の映画館をチョイス。
どの映画をみよーかな。
んー、どの映画にすっか。
そこらへんのオッサンに聞こう。
潤p:どの映画が、面白いですかね?
おっさんA:このポスターの映画はね、アクションものなんだけど、感動できて、笑いもあって、オススメだよ。あ、でもこっちのもね、あの監督の作品で、観ないわけにはいかない。ああ、これも忘れちゃいけない、これはヒンドゥー映画じゃないんだけど、絶対見た方が良くて、それに、、、以下省略
映画好きすぎるのか、延々ともうネタバレとか関係なく詳細を教えてくれる映画マニアのオッサン。
おっさんA:まぁ、でも今なら、カバリ(Kabali)かな?だって、ラジニカーントが出てるからさ!
カバリというのが、今流行ってるらしい。
そして、ラジニカーントという俳優が重要らしい。
他の人にも聞いた結果、誰もがカバリをオススメしてきたほどの人気。
唯一、どこの映画館でもやってる映画だし、よし!これに決めた!。
取材受けちゃった。
とりあえず、チケットを購入。
すると、まさかの、テレビクルーが話しかけてきた。
リポーター:今からカバリ見るんですか!?さすが!映画ファンですね!!
潤p:え??え!!??
リポーター:公開初日の今日に並んで見るなんて、テレビにコメントをお願いします!
潤p:ちょ、ちょ、俺そんな気合い入れて観にきてないですよ、、、焦
リポーター:いいから!とりあえずコメントください!!!回しますからね!はい!!どうぞー!!
潤p:ぇ、う、ぁああ、どどどどうも、日本から来た小林です。カバリを見たいために、やって来ました、、、あ??? とても楽しみにしています?
何言ってんだ俺は。リポーターの勢いに完全に負けた。。。
すかさず質問を被せてくるテレビマン。
リポーター:この映画の何が1番楽しみですか!?
潤p:え!?(そういえば、、、、、さっき言ってた。。。)俳優さん、、、です?
リポーター:やっぱり!ラジニカーントですか!最後に、日本から来たあなたの、1番好きなインド人俳優を教えてください!
潤p:(なめとんのかこいつ!?知るわけね、、、)アミターブ・バッチャン!
スラムドッグミリオネアで登場していた、インドで1番有名だという俳優の名前を声高らかにぶつけて、事前情報が何もない中でアドリブをかますことに、非常なる難しさを覚え、幕が降りるのです。
とりあえず、アミターブ・バッチャンと言った瞬間の歓声は、大いに最後の締めとして成功したようです。
リポーター:さすが!アミターブ・バッチャン!日本人の心も掴んだ!!!ありがとうございました!!!!
インド人は映画好き。
さて、入場まで、列になって並びます。
インドの映画館では、座席番号は指定せず、前方、後方、中央、二階席など、エリアごとにチケットを買うので、席は早いもん勝ちで、開場前には長蛇の列ができています。
もちろん、お話好きのインド人が絡んで来ます。
おっさんB:おい!お前!何人だ!?
潤p:日本人です。
おっさんB:日本人も、インドの映画が好きなのか?
潤p:よくわかりませんが、とりあえず見ようと思いまして。
おっさんB:それはすごいな!映画はな、インド人の一番の娯楽なんだ。おい皆んな、ここに日本人がいるぞ!
話を聞いていると、1人で来ているおっさんが多いことに気がつきます。
皆んな、仕事などが日中終わってから、映画を観にくるそう。
安い料金なので気軽に来れる、大衆娯楽として定着しているようです。
この男性は、公開したほぼ全ての映画を観ていると。
潤p:映画館は、他にも色々ありましたけど。
おっさんB:映画館にも色々ランクがある。すぐ近くにもう1つ映画館があるけど、あんなとこ高くて、俺はいつもここだよ。
人口大国かつ経済状況千差万別のインドらしい、映画館にすら、ランクがあり、そのランクに見合う人が通うと。
おっさんB:いいか、今回の映画が人気な理由はな、ラジニカーントが出てるからなんだよ。ラジニカーントが出るなら、絶対に見なくちゃな。
ラジニカーント自身は、インド映画メインのヒンドゥー語の映画の俳優ではなく、タミル語の映画の超スーパースターだそう。
広く言葉も違うインドでは、それぞれの地域がそれぞれの言語で映画を生産しているといいます。
いずれにせよ、ヒンドゥー語圏のデリーでさえも、やはり、ラジニカーントは絶大な人気を誇っているようです。
映画観てみた。
会場時間を30分ほどおして、やっとこさ上映開始です。
カバリはアクション映画。
主人公のラジニカーントが世界を股にかけ、自分を牢屋に入れたギャングへの復讐劇が繰り広げられます。
開始まもなく、ラジニカーントがスクリーンに登場。
しかも、その後に、わざわざ別テロップで、
「SUPER STAR ラジニカーント」
ってめちゃめちゃカッコ良くスクリーン目一杯に出てきた!
それとともに、拍手喝采で湧き上がるお客さん!
まず日本の映画館じゃあり得ない盛り上がりに、圧倒されます。
その後も、ラジニカーントの活躍シーンのたびに大歓声。
もう映画を楽しんでいるというか、ラジニカーントの活躍を楽しんでいるような。
これが、インド映画だった!
中身はというと、とてーも単純なんですが、やはり、思った通りに歌って踊る。
インド映画は歌って踊ることで有名ですけれども、なかなかシリアスなこの映画なのに、まじで踊る時には陽気に踊っちゃう。
最後なんか、敵役とも一緒に踊っちゃうもんだから、何が何だかよくわからんことに。
画質やカメラワークはちょいチープではありますけれども、このハチャメチャ感がなんともすごい。
もちろん、ハッピーエンドで、エンドロールに一番の拍手喝采で湧き上がるお客さん。
ちなみに、インド映画はものっそい長いので!
一回休憩が入るのも有名な話。
長すぎて、ふつーに飽きてる人いるし、ペチャクチャ喋ってる人もいるし、スマホいじってる人も多い。
まぁそれだけ、なんだかふつーにテレビ観てる感覚というか、カフェでお茶でもしてる感覚ぐらいに、インドで映画見ることは、日常に馴染んでますね。
それと、本当に俳優命。
普通、ストーリーなんかで映画を決める潤pには、ここまで俳優に熱狂的に、出演者で映画を決めるなんてことが新鮮だったのです。
まぁつまり、インド人は本当に映画が好きな人たちですね。
結局、この映画はひたすら人をぶっ殺して、踊り狂って、ハッピーエンド、それに観客も大熱狂なんですから、言葉は一切わかりませんでしたが、インド映画は意外と楽しめるもんでした。
翌日、デリーの商店街を歩いていると、1つのDVDショップを見つけました。
店先には、見せつけるように、昨日が公開初日だった、あのカバリが、海賊版として、すでにDVD化されているのです。
うん、やっぱりインドってすげぇや。