潤pの、就活やめて、世界一周することにしちゃった。

2016/4/15から始まった、世界中の「働く」を探るプロジェクト! 日本の「就活」と「働く」ことに息苦しさを感じた「現役就活生」潤pが、世界の同世代と出会い、就活事情と労働環境、そのライフコースを取材、配信し、 帰国後に電子書籍化するプロジェクト。

【カンボジアの就活事情】アンコールワットの街・シェムリアップの、人を惹きつける魔力。

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今回の民泊で泊まった物件には、

何人かの「大人」も一緒に生活しています。

 

特に彼らとの交流が印象的で、
pは毎晩のように一緒に飲み明かしていたわけでありますが、

彼らとの生活を通して見えた、
「働く」「生きる」

なんで彼らはこの観光の街、
シェムリアップでの人生を選択したのでしょうか?

3人のライフを覗いてみます。

 

 

職不足から逃れ着いたNPO - ラサ

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名前:ラサ
年齢:不明
職業:New Life Center Organization運営

この民泊孤児院、
つまりNew Life Center Organization(http://www.nlco-cambodia.org/
を立ち上げたラサさんは、
生まれながらのボランティア活動家ではありません。

むしろ彼も元々はボランティアを受けるような立場にすらあり、
現在もそれは変わらないと笑いながら話します。


ラサさんの生まれ故郷はカンボジアの農村部。

慢性的な貧困状況が続くカンボジア(資本主義経済の導入と先進国的な価値観で貧困に陥っているともいえる)の農村部で生まれ育ったラサさんに、
村に留まれば職業選択は非常に限られたものでした。

そしてそのどれも、
経済的に豊かになる方法とは程遠いもの。

 

日本にも多く当てはまるケースではありますが、
仕事とよりよい暮らしを求めたラサさんは、
カンボジアでお金の流れが生まれるシェムリアップに吸い寄せられます。

 

はじめは飲食業などの職を転々としますが、
カンボジアの変わらない貧困状態と教育問題に疑問を抱き続けたラサさんは、
自身とも照らし合わせながら5年前にこの施設を妻と共に立ち上げました。

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ラサ:私は高校までしか出ていないけど、シェムリアップに来て、生きていく上で教育の重要性を知りました。ここで英語を学んで、ビジネスを学んで、貧困から抜け出す唯一の方法は教育だと思い、ここを立ち上げたんです。


片田舎の農村部で、
大学進学という選択肢すらそもそも存在していないような環境から、
ラサさんの人生はスタートしています。

事実、この施設含め、
ラサさん自身の生活も安定しているものとは言えません。

しかし、片田舎出身の「無学」の男性が、
ゼロから作り出した現地NPOとそのキャリア選択。

少しシャイなラサさんのさらに真相のライフにまで迫りたい所で
タイムオーバーとなってしまったのが残念ですが、
彼の温かい愛情がこの施設にも宿っている気がします。


参考に、彼の想いの一片が宿った、
airbnbの自己紹介文を載せておきます。

Hi there! My name is Ratha and I have lived in Cambodia all of my life. Five years ago I opened the New Life Organization in order to provide local children in my village the chance for an education (English, Dance and Mathematics). The center now educates over 100 children and houses 17 locally. We do everything we can to give back to the community and ensure children have the opportunity to succeed in their lives. From my experience as a child losing my parents at a very young age, I strived to educate myself in whatever way possible. Even though it was difficult at times, I learned education is the key to life success and therefore, I strive to do all I can to give back to the children in my village. Please do come and stay with us to experience what traditional life in the village is like, to give back to the children and support the community of Cambodia. I look forward to seeing you soon!

 

www.airbnb.jp

観光地シェムリアップで「特殊」なカンボジア人に? - ジョン

この施設に似つかわしくなく、
1人、パーリーピーポーなメンが1人おります。

彼、ジョン。

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名前:ジョン
年齢:20代
職業:バーテンダー

 

到着初日から潤pに気さくに声をかけてくれて、
とても親しみやすい彼には、
どうしてもカンボジア人らしくない、
欧風な雰囲気を感じずにはいられません。

それもそのはず、
彼は「外人」が多く集まるバーのバーテンダー

日中は寝て、
夜出勤、
朝方仕事から帰ってくる、
そんな生活を送る、
ちょっと「特殊」なカンボジア人です。


シェムリアップで育ってきた彼は、
もともと観光ガイドとツアー会社で仕事を行ってきました。

そこから転職。

知人の紹介で、
現在のバーで働き始めました。

潤pたちも何度か彼のバーには遊びにいかしてもらい、
なかなか楽しいシェムリアップナイトライフ

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彼のバーがあるのは、
シェムリアップ一番の有名ストリート、
PUBストリートにあります。

確かにめちゃめちゃ楽しいところなんですが、
偉大なるアンコールワットの力で世界中から「外国人」を集めるこの場所は、
もはやカンボジアではありません。

通りのいたるところにヨーロピアンなバーが立ち並び、
夜中も深夜まで爆音が鳴り響きます。

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そんな「特殊」な空間で働く彼の思考も、
カンボジア人の標準的なそれとは全く別の路線を歩んでいる。

さすがバーテン、
モテまくる彼のようなライフは、
ここシェムリアップで培われた、
ある意味で生粋のシェムリアップっ子と言ってもいいのかもしれません。

 

毎日の人生が楽しい!

という彼なりの生き方がそれを物語っています。

 

孤児院で暮らす、リッチな高学歴学生 - チャイ

f:id:jumpeikobayashi:20160613043705j:plain*写真左

 

名前:チャイ
年齢:22
職業:大学3年生 ITエンジニアリング専攻

年齢も近く、
このシェムリアップ滞在で最も仲良くなったチャイ。

お酒と遊ぶことが大好きな、
まさに「大学生」な彼も、
ラサの施設に住んでいる1人です。

しかし、彼はこの孤児院出身でもなければ、
シェムリアップ出身でもありません。

カンボジアの首都、
プノンペン出身の彼は、
シェムリアップには大学のために、
またラサの施設には母親がラサと知り合いで、
その手伝いにということで住んでいます。


大学でITエンジニアリングを専攻し、
卒業後はシェムリアップでITの会社で働くというチャイは、
よく取り沙汰されて叫ばれるカンボジアの「貧困」とは
無縁の存在のように感じられます。

確かにその通り、
彼はカンボジアのエリート。

シェムリアップで一番の大学、
BBUに通うことがそれを証明しています。


積極的な彼は、
バイクの後ろに潤pを載せて、
彼の通う大学まで連れて行ってくれました。

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赤土にそびえる校舎。
カンボジアの学生たちのこじんまりとした大学です。

チャイ:潤pの大学って、一年間どれぐらいの学費がかかるの?

潤p:えっとね、100万円ぐらい...

チャイ:え!?ここは2万円だよ!

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大学卒業後は、
ITの仕事に就くというチャイ。

その就活方法は、
大学の教授からの紹介だと言います。

もちろん一般的な履歴書と面接による就活方法もありますが、
カンボジアで目立つ、
知人からの紹介の就活。

彼もまた、
その流れでキャリアを築いていくようです。

チャイ:卒業後も、シェムリアップで働こうと思ってるんだ。ITのビジネスは今のシェムリアップに必須だし、ラサのところにもいたいしね!何よりこの街が好きなんだ。

 

 

3人を惹きつける、シェムリアップの魔力。

シェムリアップには、
不思議な魔力なようなものがあります。

潤pもそれに惹きつけられてしまう1人ですが、
カンボジア人たちも、
魔力の効果は人それぞれ違えど、
その力に惹きつけられ、
それぞれの人生を描いています。


ここでのライフコース選択は、
アンコールワットにまつわる観光業を中心に、
様々な人の人生をぐるぐると形作ります。


このカンボジアにありながらも
カンボジアではないような「異郷」は、
今日も世界中からも、
カンボジア全土からも人を呼び寄せています。

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