首席を捨ててゲストハウスに就職!?急成長するバンコクの、自由すぎる人生選択とその理由。タイ人Pookのライフコース。
バンコクストリートスナップ企画の記事で一緒に街歩きに付き合ってくれたタイ人のPook。
急成長と喧騒の街バンコクを、自分なりのペースで生きる彼女の人生に触れてみました。
名前:Pook
年齢:27歳
職業:バンコク日系フリーペーパー・セールス&マーケテング部
2年ぶりの再会はいきなり彼女の働くオフィス!
バンコクの日系フリーペーパーで働く彼女。バンコクに複数ある日系フリーペーパーの中でも、唯一タイ語版も発行し、観光紙よりも両国のカルチャー紙に近い内容が特徴の会社です。
将来はライターとして働きたいという彼女の夢。現在はまずマーケティング部に所属し、手の空いた時にライティングの仕事をもらい、経験値を増やす段階にあるといいます。
ここは日系の会社。偶然社長さんともお会いすることができまして、職場には日本人と現地タイ人が半々の割合で互いに協力して雑誌を作っています。
社長とも気兼ねなく話すPook。なんだか楽しそうな職場だな〜と職場の雰囲気を眺める潤p。
首席の彼女の自由なライフコース。
1人の社会人として堅実に仕事をこなしている彼女ですが、彼女のこれまでのライフコースの歩み方は、一言、「自由」。
日本の大学生感覚からは想像しがたいキャリアに、潤pも驚かされます。
そもそも、大学では観光学を専攻していた彼女。学部を首席で卒業したという彼女は、もともとホテル経営に興味があり、その知識をもとに宿泊業のフィールドに就職を決めました。
しかし、そこは、3つ星ホテルでもなければ、1つ星ホテルでもない、ゲストハウス!
収入面や、安定、キャリア的に考えて、新卒であり、首席である彼女は「ありえない」選択をしたわけです。
潤p:その就職、皆んな驚かなかった?
Pook:もちろん驚いたよ笑 でも、その時に一番自分がやりたかったことができたのは、ゲストハウスだったから、そこで働くことを決めたの。
世界中から安宿を求めてやってくるバックパッカーたちと、国際交流の波に乗りながら1日1日を楽しんだというPook。
その後、また別の夢であったライターの仕事につくために、たまたま興味のあった日系のフリーペーパーの会社に、マーケティングとして入るチャンスを得ました。2年働いているという今の会社で、これからライターを目指していくといいます。
ゲストハウスの仲間と。
彼女のFBには決まって同じメンツの写真がよく挙げられています。聞くところによると、ゲストハウス時代の同僚たち。退社した後も仲良く集まるというメンバーに、潤pも会わせてもらいました。
全員がすでに新しい職場に転職している彼ら。タイ・バンコクで転職は当たり前。特にゲストハウスなどで働くと、現場の入れ替わりも激しいと言います。
大学卒の彼らは、ある意味でバンコクでも「逸れ者」のライフコースを描いています。しかし全員が、その時その時のステージを、存分に楽しんでいるように見えます。
右の彼、ボンはゲストハウススタッフから、現在中国の航空会社勤務へと変わりました。
潤p:バンコクでの会社ってどんな感じなの?
ボン:皆んな忙しく働いてるよ!
潤p:街であんまりスーツの人見かけないんだけどさ、ビジネスマンっているの!?
ボン:あたりまえじゃん!笑 バンコクでスーツなんて着てたら、暑くて仕事にならないよ 爆笑
ずっと優秀!その裏にある家庭の話。
ずっと成績優秀な学生時代を歩んできたPook。その人生を振り返って、そこには常に「親」の存在があったと言います。
熱心な教育家庭であったPook家は、父親が高校の校長、母親も社会の先生であったといいます。
親の期待に答え続けていたというライフコースに、高校卒業後は医者か歯医者の大学に行くという流れが自然と出来上がっていたそうです。
そして、大学受験。結果としては、あと1人の枠を逃し、医大は諦め、滑り止めとして受けていた他私大の観光学部に入学となりました。
Pook:あの時の受験の失敗が、人生の転機だったと思う。そこで初めて、自分で自分の将来の選択をしたから。
バンコクの大学受験事情。
ちなみに、バンコクの大学受験事情について。日本同様、ナショナルエグザムと言われる統一試験と、ダイレクトエグザムと呼ばれる各大学が持つ試験があります。
バンコク出身ではない彼女は、受験シーズンには地元から泊りがけで受験に来ていたと言います。
バンコク主流のライフスタイルへの、アンチテーゼとしてのライフ。
Pook:バンコクの人は皆んな流行好き。流行のレストランには皆んな並ぶし、今は留学がトレンドだから、たくさんの大学生が留学に行く。しかも、最近女の子には、白人の彼氏をもつのがステータスみたいになってて、相手の中身とかよりも、白人だからって理由で付き合う人も多いの。そうやって物事の本質を調べないでフォローすることが好きじゃないから、私は自分らしい生き方がしたい。
確かに、いい意味で他のタイ人とは様相を異にする彼女。ボーイッシュなファッションに、その人生も常に心の動く方向に向いています。
そんな彼女を描き出したのは、自分で初めてレールを掴み取った受験失敗という経験と、ゲストハウスで働いたことで得たインターナショナルな感性、そして、自由に人生を同じように楽しむ仲間の存在が大きように思われます。
急成長の真っ只中にあるバンコクで、モダンな人生選択をする彼女は、「先進国」で悠々と毎日を過ごす僕らにも、僕らだからこそ参考にすべき部分が多くあるように思います。