潤pの、就活やめて、世界一周することにしちゃった。

2016/4/15から始まった、世界中の「働く」を探るプロジェクト! 日本の「就活」と「働く」ことに息苦しさを感じた「現役就活生」潤pが、世界の同世代と出会い、就活事情と労働環境、そのライフコースを取材、配信し、 帰国後に電子書籍化するプロジェクト。

【休学したけど、やっぱりスウェーデンがいい】意外と保守的なスウェーデンの若者たち。ストックホルムの就活事情。

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スウェーデン人の若者は保守的だった!?

福祉国家で、休学も当たり前、なんて素晴らしい社会の裏にある、若者たちを保守的に向かわせる意外な動機がありました。

今回は1人のスウェーデン人の若者から、そのライフコースの描き方、就活、聞いてきました。

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名前:ダニエル
年齢:21歳
職業:工学系 大学一年生

 

ストックホルムで会った当時、つい1週間前に大学生になったばかりだったダニエル。

彼とは、ストックホルムで行われている、日本語のランゲージエクスチェンジのミートアップで会いました。

 

ギャップイヤーは当たり前。

ギャップイヤー(休学)で日本への留学経験のある彼は、高校卒業後に一年間日本に旅立ちました。

 

ダニエル:日本にはアニメとか漫画で興味を持って、全く違う環境に飛び込むイメージで行って来たんだ。実際、今までは友達とか親に囲まれて生きて来たばかりだったから、初めて自立して生きることができて、人間として成長できる機会になったと思うよ。

 

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ギャップイヤーはスウェーデンでも当たり前の選択肢。

ドイツのように高校卒業と同時、大学入学前に、ギャップイヤー期間を取る人が多いそう。

スウェーデンでは大学と将来の仕事が直結しているので、大学で何を学ぶかの選択を真剣に考える時期を設けるというところにその理由があるのです。

 

ダニエルの場合も、とにかくギャップイヤーは取ろう思っていたと言います。

それぞれアジアへバックパッカーの旅にでたり、インターンをしたり、バイトをしたり、いろいろな経験を積んでいくんだそう。

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ちなみに日本では、「休学」として括られて「ギャップイヤー」という言葉の知名度が低いです。

これ実はいかにも日本らしいこと。

 

ヨーロッパでは、人生のどんなステージでも立ち止まって自分と向き合う時間を好きな時に取れるという意味で、ギャップイヤーと呼ばれるこの取り組みですが、

基本的に、大学に入るまでそんな時間を設けることがご法度の日本では、そのような時間を作れるのは大学入学後という前提があるために「休学」という言葉がこのギャップイヤーの意味をも含んでいるんですね。

だから、両語は実際若干意味が違う。

 

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スウェーデンの大学

 

スウェーデンの大学に入る方法は、基本的には高校の成績。または、学校によって固有の試験を持っているところや、統一試験のようなものもあるそうです。

 

福祉国家として名高いスウェーデン

もちろん大学の授業料は無料。

さらに、大学生には5年間の生活補助金もでるそうです。

ん?5年間?

そう、すでに国が、そもそも休学一年はするだろぉ〜と見積もっているのですね!

 

超厳しい!スウェーデンの就活事情。

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スウェーデンの大学

 

スウェーデンの就活はどうなのでしょう。

スウェーデンの就活事情は超厳しい!

 

何をするにも経験至上主義のこの国では、ウェイターなどのサービス職でもそれまでの経験が問われます。

そんな時、突破口になるのが人からの紹介。

 

ダニエル:スウェーデン人は、日本人と似ている部分が多いと思うよ。社会の輪を大切にしてて、それを壊さないように努めるところがあるんだ。だから、紹介によるコネクションを採用の場で重要視するのも、信頼できる人ということで重要なんだと思う。

 

また、高福祉社会のこの国では、例えばスーパーのレジ係の仕事でもたくさん稼ぐことができて、バイトの身でも何不自由ない社会人としての生活が営めるだけの給料がでるようです。

しかし、そのような好条件なだけに、スウェーデンではバイトを探すのですら一苦労。

 

スウェーデンの働く環境とは、基本的に仕事を見つけるのは大変だけれども、一度入ってしまえば給料や福祉の面でとても守られるという傾向があるようです。

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意外と保守的な、スウェーデン人たち。  

潤p:ダニエルは、将来海外で働きたいとか思う?

ダニエル:うーーーん、それは思わないかな。

潤p:なんで?

ダニエル:やっぱり、スウェーデンの会社が一番給料がいいし、福祉もすごくしっかり整っているから。

 

大学卒業後はそのまま企業に就職するパターンが一般的だというスウェーデン

例えばドイツで見られたような、卒業後も自由にキャリアを描いていくのとは少し異なるように見受けられます。 

ちなみに、奨学金などのお金の返還義務を逃れるために海外へ出ていく一部の若者が増加しているのは例外として。

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スウェーデンの大学

 

彼を含めたスウェーデンの人たちと触れ合うなかで強く感じたのが、保守的であるということ。

 

ギャップイヤーの浸透率は高いけれども、ここではあくまで自分の将来を考える参考程度のもので、ライフコースの選択における大きな要因は、自分のやりたいことなどの実現よりも「安定」というところに重きが置かれているように思いました。

 

ギャップイヤーの使い方と捉え方が、ドイツとは異なっているように見えます。

バチバチにギャップイヤーで自分と向き合ってキャリアを積んでいこうとするドイツに比べて、皆んなするからやるかーぐらいの雰囲気に見えてしまう。

 

あとはスウェーデンでの暮らしという社会のロールモデルに乗る人生目標が大半を占め、人々はあくまでレールに乗っているようにも見えるのです。

 

 

当然、これはいい悪いの問題ではなくて、高福祉国家スウェーデンだからこそ起き得る事象。

もっともらしい話で、そりゃ、世界で一番給料がもらえて、仕事をしていれば健康や老後も安心ならば、そんな発想になるだろうなと。

やはり、国家制度が、国民の人格形成を行う大きな要因になっているのは、間違いないようなのです。

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