潤pの、就活やめて、世界一周することにしちゃった。

2016/4/15から始まった、世界中の「働く」を探るプロジェクト! 日本の「就活」と「働く」ことに息苦しさを感じた「現役就活生」潤pが、世界の同世代と出会い、就活事情と労働環境、そのライフコースを取材、配信し、 帰国後に電子書籍化するプロジェクト。

【移民に生まれてよかった】ロンドン移民の若者は、イギリス人より大人だった。クルド人移民の大人びたライフコース。

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グローバル都市ロンドン。

この旅始めての英語圏だー!と思ってカチコミんで行ったら、周りで聞こえるのは、中国語、アラビア語トルコ語ヒンドゥー語、聞いたこともない言語、、、ってくらいのダイバーシティです。

 

日本人の知らないヨーロッパのグローバルさは以前の記事で触れましたが、

www.jumpeikobayashi.com

ならば、移民として、自分の故郷とは別の場所で生まれ育った若者は、いったいどんなライフコースを歩むのか。

今回は移民の若者に会ってきました。

 

 

クルド人移民、チャドさん。

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名前:チャド
年齢:24歳
職業:バーテンダー

 

チャドさん24歳。

え!? 24歳って二度見しちゃうほど、大人っぽいヤングです。


現在ロンドンの日本食高級レストランでバーテンダーとして働く、物腰柔らかく、お客さんも話しやすいんだろうなぁと確信してしまうような彼。

トルコ人移民で、8歳の時に家族と共にロンドンにやってきました。

 

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*中東系の人が経営するレストラン@ロンドン。

 

チャド:一部の親戚はまだトルコに住んでいるんだ。僕はトルコの内陸部の生まれで、国の情勢悪化が原因で、母親、父親、妹とロンドンにやってきたんだ。

 

実は彼、トルコに生まれながら、国を持たない世界最大民族といわれるクルド人

母国語はトルコ語、英語は当然ながら日常会話に使い、クルド語は使う機会がなく忘れ始めてしまってはいるものの、親戚との会話に使うといいます。

 

潤p:8歳でロンドンにやってきて、文化の違いに戸惑いませんでしたか?

チャド:始めはもちろん言葉を含めて、いろんなことに驚いたよ。でも一番驚いたのは、たくさんトルコ人がロンドンにいたことなんだ(笑)。

潤p:ロンドンにトルコ人多いんですね!

チャド:ロンドンって街は、ものすごくインターナショナルな街だから。もし他の街だったら、「え!?トルコ人。。。?」ってなるようなところが、ここロンドンだと、「だから?」ってなるんだよ(笑)。文化の違いはたくさんあったけど、ロンドンだから生きてこれたんだと思うよ。

 

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*移民トルコ人が営むケバブ屋は、ヨーロッパ中にあります。

 

以前の記事でも触れましたが、ヨーロッパの大都市、特にロンドンのような場所では、見た目も文化も言葉も違う人たちが、混ざり合って生活しています。

そして、それが思いの外円滑に回っている。

日本で報道されるような、残虐なテロに、悲劇の難民なんて姿には、むしろ縁のないような日常生活があるのです。

 

移民に生まれてよかった。

バーテンダーとして生活する彼。

しかし元々は先生になることが夢だったといいます。

 

チャド:元の職場の同僚の紹介で、たまたまバーテンダーになったんだ。そしたらそれが案外すごく楽しくて、いろんな人に出会えるし、毎日がとても学びになる仕事なんだ。

 

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彼と話していると、潤pも彼の価値観にとても共感することが多いのです。

いろんな人に出会って、自分の殻を破っていく。

彼の話から、その源泉となる経緯が紐解かれていきます。

 

チャド:移民だからこそ見える世界の見え方があると思うんだ。イギリスがEUを脱退した時も、イギリス人の苦しみもわかるし、移民としての気持ちもわかる。いつも僕は中立な目線で物事を判断できるんだ。これはすごく恵まれていることだと思うし、本当にそんな存在になれてよかったと思う。

 

イギリスに来てからというもの、イギリス英語の発音に慣れてなさすぎる潤pは、買い物すらできないほどに聞き取りができませんでした。

しかし、チャドさんの英語は、これまでイギリスで出会った人の中で一番聞き取りやすい!

 

潤p:ちょっと変な質問しますけど、、、チャドさんの英語って、本当に聞き取りやすい!!!

チャド:ははは(笑)。実はその人に合わせて英語の話し方やアクセントも選んで話してるんだよ。英語はイギリス英語だけじゃないと思ってるし、アメリカアクセントを使ったり。小さい時、英語ですごく苦労した経験があるから、英語を母国語にしていない人たちの気持ちはすごくわかるんだ。相手を理解してコミュニケーションをする。これは、自分のバックグラウンがあるからできることだし、今のバーテンダーの仕事にもすごくいきているよ。

 

移民というバックグラウンドを持ち、人とは違う存在として生きてきた彼には、自分と異なる他者を認めるというベースが根付いています。

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保守的なイギリスに生きて。

そんな彼、イギリス人に対して思うこともあるといいます。

 

チャド:イギリス人には保守的な人がとても多いと思うよ。ロンドンの外に出たいと思う人も少ないんだ。

潤p:なんでだと思いますか?

チャド:世界中の物があるし、全ての物が簡単に外の世界に出なくても手に入る環境だからだと思う。

 

世界の文化、経済の中心として都市自体(外面)が発展してきたロンドン。

一方で、イギリス人の内面はクローズド。

そこに対して違和感を覚えるというチャドさん。

 

チャド:僕は常に、新しい刺激の中、自分の視野を広げ続けたいと思ってるよ。自分のモットーは、なんでも時間をかけてじっくり決めることなんだ。自分の人生、納得のいくように、焦らず堅実に生きていきたいんだ。

 

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潤p:チャドさんのアイデンティティって、どこにあるんですか?

チャド:僕は、トルコ人として生きているよ。

 

この大忙しのロンドンで、移民として生きる1人の男が、移民だからこそ持ち得た感性で人生を歩もうとしていました。

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