世界1の就職勝ち組!?インド工科大学(IIT)の大学生に直撃インタビュー。世界で1番優秀な化け物たちは、どうやって人生を歩んでく?
皆さんはこの世の中に、大学に入った時点で、
世界の超有名企業の内定が確定している、
かつ、初任給1000万以上のオファーを受ける、
大学生たちがいることを、知っていますか!?
インドに来たら、必ず訪れようと思っていた場所があるのです。
それは、タージマハルでもなく、ゴアのレイブパーティーでもなく、今やハーバード大学を凌ぐ優秀大学とすら言われる、インド工科大学(Indian Institutes of Technology)。通称、IIT。
技術立国を計るインドの要、世界最高峰の技術者を輩出している、インド屈指、名門中のド名門。
ここの大学を出た人は、就活なんざぁつゆ知らず、世界企業がこぞってオファーを出してしまうほど。
インド中の受験戦争を勝ち抜いた学生とはどれだけの化け物なのか、
そんな世界から欲される大学生って一体何考えてんだ!?
ある意味、世界で1番の就職勝ち組といえる彼らに会いに、
複数のキャンパスを持つインド工科大学のなかでも優秀なデリー校に今回はやって参りました。
校舎はさすがインドだけに、広い。
デリー中心地からはやや離れたところにありますが、近くには若者の街ハウスカズなんかもあるロケーション。
まず校舎に入り、世界一の大学にやってきたという興奮が全身を包むわけでして、プラプラと人の大学を物色して回ります。
「世界で1番優秀な大学生」会っちゃった。
調査協力者様が未定の時に発揮される、おきまりのストリートナンパで、さてさて、この大学に通う学生から話を聞き出そう。
ここに座りながら、隣に座った人に話しかけるというスタイルでスタート。
まんまと捕まったのがこちらの、ビド21歳。
名前:ビド
年齢:21歳
職業:IITコンピュータサイエンス大学院1年
現在、IITの修士課程に在学中の彼、もともとデリー大学で学士を取得してから、この大学にやって来た新入生です。現在の専攻は、コンピュータサイエンス。インド工科大学の、看板学部です。
インド工科大学生の就活って、どんなもんなの!?
さっそく、したかったこの質問を。
インド工科大学生の就活って、どんなもんなの!?
ビド:一般的な就活の仕方とは、全く異なるものだと思います。言って仕舞えば、世界1の大学なので、就職自体は簡単だと言えます。毎年世界各国から企業がやってきて、生徒をハイヤーしていくんですよ。とくにコンピュータテクノロジーの分野の学生は大人気ですね。
余りに自身に満ち溢れたその言葉は、不思議と嫌味がなく、厳しい受験戦争を勝ち抜いた彼だからこそ言える、落ち着いていながら強い説得力を持っています。
12月に一斉にハイヤー期間があり(就活期間ではなく、あくまでハイヤー期間)、20~25日間でほぼ全ての学生の就職先が決まるといいます。
各企業の持つ、テストのようなもので学生は振り分けをされて、面接などもあるそう。
さらに最近では、インターンから採用されるパターンも多いんだとか。
ビド:友達がインドの他の大学にいるけど、こうゆう採用形式をとっているのはIITだけだと思います。これもまたIITというブランド力と、自信に繋がりますね。
*学食。あるのはもちろん、カレー!
しかし、話を聞く限り、あまりに自動的すぎる就活方法に、怖さのようなものまで感じてしまう潤p。
学生たちは、受動的に仕事に振り分けられていくだけなのか!?
自分の人生はどうやって選択しているんだ!?
潤p:どうやって学生は会社を決めてるの?
ビド:学生側も、ハイヤー期間の前に各企業に調査を入れるんですよ。そこの会社の人とコネクションを作ったり、積極的に話を聞きに行ったり。IITだからこそ、そういった繋がりを作りやすいのも利点に働いていますが、決して生徒が受動的に、単なる優秀な労働力としてだけ企業に選ばれているわけではないんですよ。
世界的に経済が落ち込みがちな近頃に、企業を自分で好きなように選べるというスタンスに立てるのは、さすがは優秀な彼らだからこそ。
ビド:IITの強みは、ただレベルが高いだけじゃなくて、入学してからも、常に高いレベルで勉強を続けていくことができる点にあると思います。だからこそ、世界中の企業が、今すぐに使える実践力として、この大学の学生を欲しがっていると思います。
彼の目からは、IITに対する強い誇りと、自分が厳しい受験戦争に勝ち抜いて入学を勝ち得たという自信が強く伝わってきます。
*道にしゃがみ込んで課題に取り組む学生たち
世界1の学生の弟は、DJだった。
潤p:どうしてこの大学を選んだの?
ビド:両親が強制したわけとかじゃなくて、自分自身でIITを選んだんです。僕の場合は、自分の学力を高めたくてこの大学に入りました。基本的には、人は自分が本当にやりたいことを追求するのが一番大切だと思っています。
潤p:なるほど。。。
ビド:例えば、僕の弟はDJなんですよ(笑)17歳だけど、今週末もハウスカズでパーティーがありますよ。彼は彼のやりたいことにチャレンジしている。最も大切なことは、自分自信で自分のやりたいことに真剣に向き合うこと。この考え方は、これからインドが発展するためにもとても大切なことだと思います。
非常にロジカルに話す彼に、バカが露呈して止まない潤p。
21歳の彼は、実に大人に、今の現実と対峙しています。
潤p:やっぱり、IITの学生生活は、めちゃめちゃ忙しいでしょ?
ビド:忙しいとは思わないです。だって、自分が好きな勉強をしているから。そしてそれを1日の中にマネージメントしていくことは、とても重要なスキルだとも思います。 学びながら、常に自分を高められる環境にあると思います。
例えば、あなたにも私にも、1日は24時間しかない。これは変わらない事実です。それを、どう使うか、そこでその人の能力が問われると思うんです。
人には3つの時間があると思っていて、ソーシャルタイム、ファミリータイム、ワークタイム。それをバランス良くマネージする。これを学生時代に実践して学んでいっています。
インド最高峰の若者は、自国の未来をどう見てる?
なんでも的確に自分の意見を述べてくれる彼に、インドについても聞いてみることにしました。
潤p:インドのこれからについては、どう思う?
ビド:インドは今発展途上だけど、インドには内需的な発展があります。テクノロジーがあるし、若い世代のエネルギーにも溢れています。まさにそれこそが、インドの強みだと思います。
この国の抱える問題については、どう考えているんでしょうか?
潤p:根深く残る、貧困問題についてはどう考えてるの?
ビド:それは僕の範囲じゃないから答えられないですよ(笑)ただ僕は、僕ができる範囲でこの国に貢献していきたい。そう思います。
あまりに、全てがありすぎるインドで、その将来を憂うことは容易なことではないんでしょう。むしろそれよりも、今目の前で解決できる課題に挑む。
人口爆発のインドで、厳しい競争のあるインドで、最高峰の学力を勝ち得た彼。
そのことに強い誇りを持ちながら、それに満足せずその学歴と環境を活かし、より良い人生と、自分のモットーに従って将来を描き出そうとする彼。
こうした若者がインドにはたくさんいることが、この国が確実に新しい世界を担っていく存在になると、確信させられるのです。
ビド:さ!そろそろ行かなくちゃ!質問は大丈夫ですか?僕もまだまだIITの新入生なので、置いて行かれないように、今日はこれから勉強です!
成長が限界を迎えているように感じられる僕らの生まれ故郷と、新しい風が吹き止まないこの発展途上の国。
これからの世界地図がどうなるか、その最前線に立つ若者に出会うからこそ聞けた、貴重な時間でした。