【パレスチナ自治区でディープなフィールドワーク】イブラヒム爺さんのピースハウス、エルサレムからシュアファット難民キャンプ、ビルゼイト大学行ってきた。
パレスチナ自治区、覗けば覗くほどその興味深さを味わえるような場所。
目の前で突然テロも発生しましたし、十分注意が必要ですが、
日本ではまず味わえない体験がたくさんあります。
今回は、そんなパレスチナ自治区で、ディープなフィールドワークしてきました。
イブラヒム爺さん会ってきた。
*写真右:イブラヒム爺さん
エルサレムで有名な日本人宿があります。
イブラヒム爺さんの「ピースハウス」。
まぁ日本人宿というか、イブラヒム爺さんの家を、旅人たちにオープンにしているというようなところ。
???イブラヒム爺さんって誰なのよ???
って感じかと思われますけれども、実際著名なパレスチナ人平和活動家。
日本人の間では、イブラヒム爺さんの愛称で親しまれている方なのです。
*なにやらすごい会に参加しているイブラヒム爺さん
ここに泊まると面白いよ!
イブラヒム爺さんには一回会ったほうがいいよ!
でも最近あんまりイブラヒム爺さんいないらしいよ??
なんだかよく分からないイブラヒム爺さんに関する情報が錯綜しているわけだったので、とりあえず自力で行ってきました。
ピースハウスへの行き方。
このピースハウス、エルサレムの旧市街から少し歩いて登った、オリーブ山にあります。
*オリーブ山からの景色
ネットで探してもまともに住所なども見つけられなかったので、一応、この辺りにあるという地図を乗っけておきます。以下URLから飛んでください。
オリーブ山に登りましたら、地図を参考に、周辺の人に、
イブラヒムさんのピースハウスはどこ!?
と聞けばみんなだいたい知っております。
一応、まぁ、こんなところを進んで、
この左手に、、、
ここを入っていけば、、、
入り口でございます!
イブラヒム爺さんは、今月曜しかいない!?
潤p:ごめんくださーーーい!!
イブ爺:おぉ!どうもどうも!ウェルカムウェルカム!*ウェルカムってめっちゃ言う
イブ爺:ここに泊まりたいのかい?
潤p:あ、実は、イブラヒムさんに会いに来たんです!
イブ爺:そうかそうか!ウェルカムウェルカム!それはそれは、でもラッキーだね。最近は体調がすぐれなくて、週に一回(そのときは月曜と言っていました)しかここには来ていないんだ。
ちょうどその日はラッキーで、たまたまイブラヒム爺さんに会うことができました。
しかし、旅人の中では、泊まったのにも関わらず、イブラヒムさんが不在で会えなかった人すらも。
イブ爺:とりあえず、なんか食うか?
イブラヒム爺さんは、噂通り、食事をよくふるまってくれる。
まったりと、時間が流れていく。
確かに平和活動家としてのパレスチナ自治区への考え方なんかも聞いてみたかったのですが、イブラヒム爺さんとてもゆったりと自分のペースのある方で、今回はその流れにすべて身を任せてみることに。
昔のアルバムなんかを見せてくれたり、美味しい紅茶とお菓子で談笑させてもらったり。
生ける伝説と過ごす、のどかなティータイムだったのです。
*ピースハウスの宿泊場所
難民キャンプ、行ってきた。
パレスチナ難民とは、少なくともどこかで聞いたことがある話。
要するに、イスラエル人に元住んでいた土地を追われ、難民となった人たちですが、
そんな難民たちが暮らすキャンプに、バスを使って行くことができるのです。
*難民キャンプの子供達と
今回訪れたのは、シュアファット難民キャンプ。
エルサレムからバスで簡単に行くことのできる、エルサレムに最も近いキャンプです。
基本パレスチナ人はイスラエルに行くことは叶いませんが、エルサレム行政地区内にあるこのキャンプの人たちは、イスラエルへも行くことができる、特別なキャンプです。
シュアファット難民キャンプへの行き方。
トラムを使って、ダマスカス門から北上したのはいいのですが、特にどこで降りたらいいのかなどがわかっておらず、バスに飛び乗り行き先を聞き、ひたすら自力でたどり着きました。
トラムから徒歩、バスに乗り継ぎ境界を超えて、やっとこさ。
*イスラエル - パレスチナ自治区 境界付近(イスラエルサイド)
イスラエルとパレスチナ自治区の境界付近は非常に閑散としていて、ゴミも散乱していました。
*イスラエル - パレスチナ自治区 境界付近(イスラエルサイド)
難民キャンプは、「キャンプ」じゃなかった。
バスに乗り込み、到着した難民キャンプ。
ん??難民キャンプ??
え!?!?これ、難民キャンプ!?
というのも、ここは、潤pのイメージしたキャンプではまるでない。
それもそのはず、みんな、普通に家に住んでいるからなんです。
歴史の古いこのキャンプでは、テントなんかに住んでいる人はもういません。
いつの間にやら問題が置き去りにされて、この場所に住むこととなった人たちなのです。
*イスラエルに比べてボロボロな車は多い
商店もあれば、レストランも多い。人々はスマフォを使っていれば、デパートもある。
*パレスチナ難民たちの楽しみ。デザート屋さん。
正直言って、ここに難民キャンプだとして訪れなければ、1つのアラブ人の町として納得してしまいそう。
それだけ、普通に見えるのです。
しかし、商店のお父さんは、こんな風にうつむきます。
潤p:ここでの暮らしには、どんな問題があるんですか?
父:問題は山ほどありますよ。
潤p:ここは、キャンプというよりは、、、
父:息を吸うこと1つでも、大変なんです。。。
ここシュアファット難民キャンプには、子供がたくさん遊んでいました。
普通におもちゃで遊んでいたり、意外とおしゃれな服を着ていたりと、想像とはだいぶ違う難民像。
しかし、滞在して時間が経過すると、囲んでくる子供達が徐々に過激になってきます。
中指を立ててきたり、カメラを奪おうとしてきたり、殴ってきたり蹴ってきたり、エアーガンで撃ってくる子もいます。
それも、ただからかっているというよりも、どこか行き場のないストレスを外国人の僕たちに投げつけるように。
潤pが、キレた。 イスラエル軍の検問所
パレスチナ自治区から帰るとき、外国人も検問を通る必要があります。
検問は全てイスラエル軍が管理しており、パレスチナ人としては、原則イスラエルサイドに住む人だけがこの境界を超えることができるのです。
*検問
その際に、パスポートと入国カードを見せるのですが、1つの検問のチェックが、あまりにも。。。
そもそもこの検問があるために、一度バスを下車して、検問通過、再乗車という非常にめんどくさいもの。
時間にもよるのでしょうが、いつも長蛇の列ができています。
ここは待つのが得意な日本人。
そんなにイラつくことはありませんが、対面でチェックを受けるとき、さすがの潤pも唖然としてしまったのです。
*パレスチナ自治区からイスラエルまでは車の渋滞。反対車線はガラガラ。
鉄パイプの回転ゲートに、青いランプが点灯したら、1人ずつ検査室に入り、検査官にIDを見せます。
潤pの番。
ゲートをくぐり、ガラス越しの検査官にIDを渡そうとするのです。
しかし、検査官たち、爆笑しながらなにやら部屋で盛り上がっている。
潤p:あのぉ。。。
監査官A:フハハハハハハ
潤p:ちょっとぉー!
監査官A:?? あぁ、、、パスポート
潤p:あぁ、はい。。。
検査官はテーブルに足を投げ出し、まるで誠実な態度ではないことは誰でもわかる。
監査官A:何!? お前、日本人なの!? おいお前ら! 日本人だぞ!!!
別の窓口で 笑いながら通行人の対応に当たっていた同僚が、作業を急にやめて、潤pの窓口にやってきた。
監査官B:ぇえええええええええ!!!おいおい!お前!ナルト知ってるか!?
そこから、延々と自分の知っている日本のアニメ情報を好きなだけ喋られる。
言葉を失います。
後ろには、何十人というパレスチナ人が列をなして並んでいる。
高い塀と、柵に囲まれ、まるで全員囚人のように見える。
隔離され安全を確保された空間で、銃と権力によって絶対的優位な立場に立つイスラエル兵と、ただ静かに列に並ぶパレスチナ人たち。
もちろん、これはたまたま態度のおかしいイスラエル兵の監査官に当たっただけなことは重々承知ですが、彼らは、自分たちの仕事に対する責任があまりにもない。
その場はなんとか愛想笑いで通過しましたが、ついバスに乗った瞬間に、先に乗車していたパレスチナ人の若者に、声を荒げてしまいました。
潤p:お前ら!毎日こんなとこ通らされてるのか!
若者:は、はい!?
潤p:あまりにも酷すぎるだろ!!!
いつも非常に温厚な潤pなのですが、さすがに怒りと悲しみが、爆発してしまうのです。
パレスチナ最高峰の大学行ってきた。
どこの国でも、なるべくその土地の大学に行くようにしている潤pの旅ですが、パレスチナ自治区にも、大学はあります。
それも、ビルゼイト大学は、パレスチナ自治区の中でも最高峰の学府であると。
ビルゼイト大学への行き方。
相当物好きでなければ行くような場所ではないと思いますが、行き方をご紹介。
エルサレムからは、ダマスカス門前のパレスチナ自治区方面行きのバスに乗り、まずラマッラという街を目指しましょう。
ラマッラに着いたら、シェルビスという乗り合いバンに乗り、ビルゼイト大学付近で降ろしてもらうように伝え、下車。4.5シェケル(約130円)
着いてビックリ、学生たちストライキ中!
*岩山の中にあるビルゼイト大学校舎
着いて、なんでしょうこの人気のなさ。
正門から入ろうとすると、ガードマンに止められます。
潤p:入れないんですか!?
ガードマン:今は学生がストライキ中で、校内にはほとんど人がいないんだ。申し訳ないが、入れることはできないよ。
めちゃめちゃ粘るものの、、、侵入ならず。。。
まさかの現在、ストライキ中。
確かに、正門の正面にはデカデカと、現在イスラエル側に収容されているパレスチナ人の段幕が掲げられ、何やら政治的なメッセージがかかれているよう。
学生たちも、自分たちが置かれている状況に少しでもアクションを起こそうとしているようなのです。
また、別の門には、なんとベッドなどが置かれている!
ここで、学生たちが寝泊まりしてストライキをしているらしい。。。
*寝具やテントの置かれた門
これまでこんな大学見たことない。。。!!!
イスラエルにいて難しいのは、ユダヤ人、イスラエル人に対しては、ここはイスラエルという国だと言えて、アラブ人に対してはパレスチナと言わなければいけないこと。
多くの人が、お互いにお互いを認めておらず、そこに何も知らない自分のような外国人部外者がちょっと間違った言葉を使ってしまうだけで、いざこざの火種になってしまうことも。
今回紹介したエピソードだけでも、いかにこの場所が特別な場所なのかということが伝わると思います。
どちらが正しい正しくないの二元論では語れませんが、潤pがこの目で見て体験したことは、あまりにも特別すぎることであったことは、これはまぎれもない事実なのです。