潤pの、就活やめて、世界一周することにしちゃった。

2016/4/15から始まった、世界中の「働く」を探るプロジェクト! 日本の「就活」と「働く」ことに息苦しさを感じた「現役就活生」潤pが、世界の同世代と出会い、就活事情と労働環境、そのライフコースを取材、配信し、 帰国後に電子書籍化するプロジェクト。

【大卒の半数が就職できない理由】タンザニア・ダルエスサラーム大学生の就活事情。

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楽しすぎるタンザニア最大都市ダルエスサラームの日々。

しかし、そこに実際に生きる人々が、その笑顔の通り幸せな暮らしをしているかというと、必ずしもそうではありません。

特に若者にフォーカスして、彼らの「就活」を考えると、その厳しさに唖然とします。

 

A:50%以上の若者が、大学を出ても仕事に就くことができないんです。その結果、犯罪に走ったりしてしまうんです。

 

 

そう語るのは、ダルエスサラーム法科大学院に通う、大学院生Aさん。

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*学生達と

 

今回は、タンザニア1の大学、ダルエスサラーム大学に出向いて、そこで出会った25歳前後の若者達が語る、ダルエスサラームの今、まとめていきます。

 

大卒の半数が、就職できない!?

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実際に、タンザニアに生きる若者達にとって、職不足は深刻な問題です。

大学をでても仕事に就けない状況に、そもそも大学というものに諦めをつけて、大学に行かずに自分で起業してしまう人も多いんだそう。

 

A:一番の問題は政治の腐敗です。汚職と古いシステムのせいで、政治家は誰も国が良くなるための政策を検討しない。そのせいで経済はいつまでたっても改善されずに、結果的に一番被害を受けるのは、私たち若者世代です。

 

もっと政府が積極的に問題解決に動いていかなければこの国は変われないと語る彼。

さらに、決して高くない投票率に対しては、国や政治について、自分の人生について国民もより考えていくべきだとも指摘します。

 

A:ここは、強烈なコネ社会でもありますよ。コネがない人は何もできないぐらい。

 

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中退が当たり前??

学生もそれぞれが、異なった意見を持っているのが面白い。

また別の学生は、こんなことを言いました。

 

B:仕事を得られるかどうかは、本人のやる気次第だと思うよ。夢を持って、あきらめず、頑張ることが1番重要なことだと思う。タンザニアには、諦めてしまう人がとても多い。

 

事実、タンザニアでは中学、高校で学校をドロップアウトしてしまう割合が高いのです。大学の進学率は3%以下だという話も聞きました。

仕事と学業を両立している子供が多いことも原因ですが、教育システムとして、中学校から突然全ての授業が英語になるため、ついていくことができず諦めてしまう子供が多いんだそう。

 

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*電化製品やさんのお兄さん

 

近所の電化製品屋さんのお兄さんも、そういえば高校に行かなかった1人です。

 

兄:高校に入ったら、9科目も授業をとらなくちゃいけなくなるんだ。そんなの嫌だから、ちょうど叔父が経営していたこの電化製品屋で働くことにしたんだ。

 

多くの人の話を聞いていると、なんとなく、この国における学力の重要性はまだ希薄な気がします。

皆んな、「高校を卒業して、大学へ行くのは良いことだ!」ということは頭では理解しているようですが、実際に勉強に取り組んでいる人は少ないように感じます。

 

もちろん、学歴が全てとは一切思わないのだけれども、資本主義の競争社会に否応なしに放り込まれて、今急成長が叫ばれている1つの国にありながら、そのような意識は興味深い。

 

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また、タンザニアの大学に留学をしていた日本人大学生Cさんは、タンザニアの大学生と一年の時を過ごして、こんなことを語ります。

 

C:お金があれば大学院に行けたのにとか、本当はこの学部に行きたかったのにとか、そうゆう、意思はあっても何かのせいにする人が多いと思います。就職が厳しいのはわかるけど、それに見合う努力をしている人が少ない気がする。めんどくさいという理由で、取り組み切れていない人が多いのが本当のところだと思います。

 

まだ、教育がより豊かなライフに直結していないのです。

 

また、タンザニアの教育システム上では、高校に入る段階で専門科目を決定するため、その時点で道が決定します。

多くの学生が工業系の道に進み、高校時代で仕事をしていく知識を得られるので、大学の進学率が必然的に下がるという事実もあるようです。

 

f:id:jumpeikobayashi:20170109001033j:plain*学食は100円以下からある。激安。

 

タンザニアの学生達と出会うことでわかったことは、意欲のある若者が、成長していける土壌がタンザニアにはほとんどないということです。

より多くの知識を身につけたい、世界的で働きたい、そう願う学生達が活躍できる環境があまりにも不十分であるように感じました。

 

しかし、そのような学生がいる一方で、今まで通りの「普通」の生活を続けていきたいと願う若者も多く、国の成長と一部の若者の意欲、そして一般的な若者意識と実際の環境とが、大きなギャップを抱えているように思いました。 

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