【兵役しなくちゃ未来ない!?】テルアビブ、活気付くスタートアップ イスラエル男性のライフコース。
世界中から注目を集め、スタートアップが盛り上がりを見せるイスラエルはテルアビブ。
同時に、兵役が義務付けられる人生で、イスラエル人の若者はどのように人生を歩んでいくのでしょう。
今回は、1人のイスラエルの最先端スタートアップキャリアを積み続けているイスラエル人男性に、彼のキャリアコースの描き方、聞いてきました。
前回記事のイディットさんが紹介してくれたのは、イスラエルのスタートアップで生きるミキさん。
名前:ミキ
年齢:30歳
職業:フリープログラマー 求職中
IT大企業やスタートアップを経て、現在求職中。
これまでプログラマーとしてのキャリアを積んできました。
ミキ:今は、パートタイムのプログラマーの仕事を探しているんだ。もともとスタートアップで働いていたんだけど、忙しすぎてね。ワークライフバランスが全く取れなくて。今はバランスを整えながら、ゆっくりと将来を考えていきたい時期なんだ。
今は一度立ち止まって自分の人生をより豊かな方向へ模索していきたいというミキさん。
当時働いていたスタートアップは、兵役時代の同期が立ち上げた会社でした。同期の誘いで就職したといいます。
イスラエルは、韓国と同じ、兵役のある国。
韓国の調査でも、兵役と就職は強く結びついていましたが、ここイスラエルでは、いかに!?
兵役が、就職、人生に直結。
高校を卒業後、そのまま兵役に入ったミキさんは当時19歳。
ミキ:僕の場合はとてもラッキーで、親のコネクションのおかげでプログラマーとして技術部隊に従事できたんだ。自分自身就きたかった職で、そこでのキャリアが今の仕事に直結してるんだ。
入隊時、配属先を選ぶ権利は基本的にありません。
希望を伝えることはできても、その通りにいくことは稀で、ミキさんのように将来のことも考えて、コネ入隊する人もいるそうです。
ミキ:イスラエルは、そんなに学歴社会じゃないと思うんだ。むしろ技術職などでは、軍隊での学びや繋がりで仕事が見つかったりして、マスターやドクターは必ずしも就職に有利になるものでもないね。
就職面接の際、兵役を終えているかどうかは必ず確認されるポイント。
特に、世界最強の軍隊と言われるイスラエル軍を最強たらしめている理由、「ハイテク技術」。この技術部隊にいたというキャリアは、その後に技術系職でキャリアコースを歩んでいく若者には、強いアドバンテージになるというのです。
スタートアップやIT系企業の技術者で、これらの部隊に所属していた人が圧倒的に多いということも、それらを裏付けています。
逆に言えば、兵役を終えていない若者にとっては、就職は厳しい。
韓国社会でも見られた、兵役を持つ国の1つの特徴なのかもしれません。
*ミキさんと行ったバー
ミキ:イスラエルの兵役は、人生にとって大きな意味のある期間なんだ。同じ部隊にいた同期とは、今でも強い繋がりがあるし、先輩同期後輩の繋がりで仕事が見つかることも多いしね。それに、結婚相手と兵役中の部隊で出会ったって人も多いよ。社会的に認められる一人前の大人になるための通過儀礼のようなものなんだ。
ちなみに、アラブ人や多人種、また超正統派のユダヤ教徒は兵役を逃れることができます。兵役を逃れるために、一時的に超正統派ユダヤ教徒になるという人すらいるのだと。。。
イスラエル人の若者の「一般的」なライフコース。
インドにいると、イスラエル人と会う機会が非常に多いのです。
それも出会うのはゲストハウス、だいたいバックパッカーの身なりで、ほとんどの人が若い。
というのも、イスラエル人の若者の「一般的」なライフコースとは、
高校卒業
⬇︎
1年の自由時間
⬇︎
兵役(男約3年間・女約2年間)
⬇︎
1年の自由時間
⬇︎
就職
この一年の自由時間に、彼らは旅に出るのです。
ひたすら自由を求めて。レイブパーティーにでも行けば、必ず彼らに会えますよ。
*様々なビールが置いてある
2代前はホロコーストの生き残り。。。
ミキ:テルアビブは特別な都市だと思うね。すべてのスピードがすごく早くて、何より宗教色がイスラエルの中ではとても弱い。僕も、無宗教のユダヤ人だからね。
以前の記事でもご紹介した通り、ユダヤ人って、必ずしもユダヤ教徒じゃないのです。
母親がユダヤ人であればユダヤ人なので、ミキさんは、ユダヤ教徒でない、母親がユダヤ人のユダヤ人。
ミキ:神は信じないよ。何かに困ったときだけ神頼みするけどね(笑)
*タバコの味のビール!?こんなのあるのか!!
ミキさんは、物心つく前に両親とともにアメリカからイスラエルに移住してきました。
ホロコーストの生き残りであった祖父は、当時貧しい環境で、バスの運転手として生計を立てていたと言います。
しかし、熱心な教育家で、ミキさんの父親に当たる息子を少ない収入の中から大学まで通わせました。結果、ミキさんの父親は現在大学で経済の教授をされているといいます。その影響で、ミキさんも小さい頃から英才教育を受けてきたと語ります。
最後、ミキさんはテルアビブの夜のビーチへ連れてきてくれました。
生暖かい波に裸足で足を入れ、2人で夜の夜景を眺めます。
ミキ:潤pは、将来どんなことしたいの?
潤p:そうだね、 どんな仕事でも表現者として生きていきたいね。
ミキ:そっか!よし、これからもよろしくね!いつか一緒に仕事をしよう!
兵役?
ユダヤ教??
ホロコーストサバイバー???
環境も歴史もなにもかもが違いすぎる世界に立っているように見えるミキさん。
日本の「就活」に疑問を抱いて飛び出してきた潤pは、いつしかイスラエルの夜の海岸で、考えもしなかった「就活」の世界を生きるイスラエル人の若者と時間を共有しています。
しかし、生きる環境は違えど、世界のどの若者たちも、その環境の中で、自分の人生を切り開いて生きています。
日本の就活に疑問???
この国にいると、どんどん全てがわからなくなっていくのです。