【日本人の知らない、イスラエル7つのこと】ユダヤ教、人種、シオニズム、超正統派、パレスチナ問題まで。
イスラエルのテルアビブは、なんとも平和なところです。
これだけでも、日本人の知らないイスラエルの姿なのですが、
なんだかんだの1週間ほど滞在してみると、今まで知ることのなかった不思議がわんさか見えてくる。
イスラエル人って、ユダヤ人のことだけじゃないって知ってました?
今回は日本人の知らない、イスラエル7つのこと、まとめていきます。
多人種国家、イスラエル。
そもそも、ユダヤ人の国イスラエルということで、国民はユダヤ人だけかというと、そうではないのです。
今でも多くのアラブ人がイスラエル領内で暮らしてますし、イスラム教の宗教施設モスクだってテルアビブの中心地にあるのです。
アラビア語は第二言語に指定されていて、町の看板表記はイスラエル人が使うヘブライ語と、アラブ人用のアラビア語の併記がなされています。
世間一般では、ユダヤ人とアラブ人が憎みあってるなんて構図で見られるところもありますが、ここテルアビブでは、意外と普通に両者が共存しているように見えるのです。
お金持ちのイスラエル人であるアラブ人も、たくさんいるんです。
そもそもユダヤ人って誰なのよ?
おそらく、ユダヤ人って誰なのか、それをちゃんと説明できる人って、あんまりいないように思います。
かくいう潤pも、よくわかっていなかった、というか、わかっていないことを知りませんでした。
ユダヤ教を信仰している人、または、母親がユダヤ人である人が、ユダヤ人となる定義なのです。
つまり、ユダヤ人でも、ユダヤ教徒でない人もいる、ということ。
白人系の顔をしていない、アフリカ系ユダヤ人もいるということなのです。
いっぱいいるユダヤ人。
ユダヤ教徒であるユダヤ人の中にも、複数のタイプが存在しています。
*超正統派のユダヤ人
超正統派(上写真)と呼ばれる、全身黒ずくめの服装に、ユダヤ教の教えに忠実に生きる人たちがいたり、正統派と呼ばれる、信仰心を持ちながら、服装や生活スタイルは西欧的な人々と変わらない人たちもいたりします。
*無宗教のユダヤ人家族
また、ユダヤ人であっても無宗教である人もいるわけで。若者に多く、彼らは特定の信仰心を持ちません。
*テルアビブのイスラエル独立記念館
さらに、それとはまた別の路線に、シオニズムを支持するかどうかという要因もあります。
シオニズムとは、歴史の授業でご存知の通り、パレスチナのエリアに、ユダヤ人の民族国家(イスラエル)を建国することを目的とした主義と思想のことで、
この主義者、つまり、シオニストであるかどうかも、ユダヤ人によって立場はそれぞれ。
興味深いことに、ユダヤ人でもイスラエル建国自体に反対する、またシオニズムに興味のない人すらいるというのです。
ことをさらに複雑にさせるのは、超正統派でもシオニストではなかったり、無宗教なのにシオニストであったり。
ユダヤ人といってひとくくりにしても、宗教や主義で様々な人がいるのです。
あー複雑。
特に、ユダヤ教やシオニズムにとらわれず、アラブ人との共存を前提としてイスラエルを語る人は、自分のことをユダヤ人とは呼ばず、イスラエル人と呼んでいました。
イスラエルにある兵役は、イスラエル人が対象となるため、アラブ人の兵役従事者も中にはいるのだから、またまたことは難しい。
超宗教国家、イスラエル。
それでも、この国は、大前提としてユダヤ人が主導権を握る、ユダヤ人のための国家であることを忘れてはいけません。
非常に宗教色の強いイスラエルでは、ユダヤ教徒の安息日である金曜日の日没後から土曜日の日没までは、お店から公共交通機関まで、全てがストップします。
いや、本当に、この日は何にもできません。どこも空いてません。
超正統派のユダヤ教徒なんて、安息日は徹底的に安息する必要があると考えているため、労働とみなされる行為は一切しないのです。
人によっては、家を一歩も出なかったり、自転車に乗らなかったり、そこまで!!
他にも、菜食主義者が多いことから、ビーガンのレストランや食べ物も多くあります。
やっぱり、確執はチラホラと。
そうなってくると、いくら平和に見えて、いくらアラブ人と共存しようとも、チラホラとユダヤ人とアラブ人の間で確執も垣間見えてきます。
例えば、テルアビブの中でも、ユダヤ人が住むエリア、アラブ人が住むエリアと暗黙のうちに分けられたりしているのです。
*ヤッフォの街並み
実は、テルアビブ、正式な市の名前としては「テルアビブ・ヤッフォ」と言いまして、この「ヤッフォ」というのはテルアビブに隣接するアラブ人地区の名称。両市が合併してこの名称となりました。
実際、街を歩けば、ヒジャブを被ったムスリム女性と、イスラエル人女性が一緒に行動しているのをあまり見かけなかったり。(男性に特徴はあまりないので、ヒジャブをかぶったムスリム女性を見てということ)
テルアビブ1のテルアビブ大学に行けば顕著で、
アラブ人系の学生はアラブ人と、ユダヤ人系の学生はユダヤ人同士で行動している姿を見かけます。
テルアビブの大学の正門に掲げられていた生徒たちの顔がまとめられたボードには、ムスリム女性は唯一1人。
キリスト教の聖地、ナザレには、イスラム教徒がたてた宗教色が強い看板などもあったりします。
様々な火種は確実にくすぶっています。
みんなが母国語を喋れるわけじゃない。
イスラエル、この国はものすっごく若い国。
イスラエルの建国に先立ち、当時世界中からユダヤ人がこのパレスチナの土地にやってきました。
今でこそヘブライ語が第一言語でやっておりますが、問題は言語の問題。
世界に散らばりながらも、宗教行事やユダヤ人同士のコミュニケーション言語としてはヘブライ語が使われていたものの、多くのユダヤ人が当時、第一言語を他の言語としていました。
第一言語は何?
と聞くと、
世界の様々な言葉が出てきたり、親の世代はヘブライ語が話せないとか、そんな話が出てくるのです。
世界中から人が集まってできた国、この国は、他の国とはまったく異なる生い立ちの上にできた国なのです。
宗教対立じゃなくて、主義の対立。
イスラエルとパレスチナ間で未だに続く問題は、ユダヤ教とイスラム教の宗教対立であると勘違いされることがありますが、これは間違い。
ユダヤ人によるユダヤ人のための国家建国を掲げているため、どうしてもそこに住んでいるアラブ人との対立が生まれるわけです。
これは完全なる、主義の違いによる領土問題。
とりまく環境は果てしなく複雑だけれど、根本にあるのは、誰がパレスチナの土地に住むかという問題であると理解すると、決して日本人にも遠い話ではないのです。
いやー、イスラエル。わからないことだらけ。
こんな複雑な国他にないですね多分。
だからこそ、興味深いのだけれども、全くわからない。
パッと見、平和で、景色も綺麗で、最高なところなんですけれども、まー、その奥に、ごっちゃごちゃのものが潜んどるのです。