【豊かなスウェーデンで、夢を失う若者たち】実は知らないスウェーデンの若者の今!
この旅の中で、必ず行かなければいけない場所だと、出発前から考えていました。
豊かな高福祉制度に支えられた、世界でも先進的だと評判の北欧の国には、それはそれは世界でもずば抜けて尊敬すべき若者がいるのだろうと。
しかし、、、事情はそうでもないようなのです。
大学なんて、意味がない。
世界の人のお部屋に無料で泊めてもらっちゃいましょうというサービス、カウチサーフィン(https://www.couchsurfing.com/)で、スウェーデン人ホストのフィリップと出会いました。
名前:フィリップ
年齢:25歳
職業:高校数学教師
スウェーデン人とアメリカ人の両親を持つ彼は、先進的な考えと強い信念を持つ「変わり者」。
朝はメディテーションから始まり、徹底したビーガン(菜食主義)の彼のもっぱらの食事はスムージー。大学も自分の意思で中退した強者です。
F:ただ席に座って、大教室で教授の話を聞いて、ノートをとるだけの大学の環境に意義を感じなかったんだ。もっと教授から深く学びたいのにできないことにフラストレーションを感じて、途中でやめたんだ。
潤p:フィリップは学ぶことは好きなんだよね?
F:勉強なんて今、いくらでもオンラインでできるわけだし、簡単にオックスフォードの授業だって受けられる。ヨガを学びたければインド行けばいいし。こんな時代なのに、まだ古い制度でやってる大学に嫌気がさしたんだよね。大卒である必要がある会社や職場に行くつもりもないから、別に何の恐れもないよ(笑)。
*スウェーデンの大学
もともとは、大学でエンジニアリングと教育を同時に学んでいた彼。
スウェーデンの教育に対して、彼なりの見解を持っています。
F:スウェーデンの教育はとても閉鎖的だと思う。確かにギャップイヤー(休学)をする人は多いけど、そのモチベーションは必ずしも自己成長のためにあるわけじゃなくて、なんとなく皆んながやってるからやってたり、バケーションとして遊ぶ人も多いんだ。
スウェーデンの若者が、意外にも保守的なことは前回の記事でも触れました。
基本的に大学卒業後の企業への就職が一般的な現状に対しても、疑問を彼は呈します。
F:なんですぐに働くことが正しいのか、そんなこと、絶対じゃないと思う。
スウェーデンでは教師に資格が必要のないことについても、
教師の質の低下と、その質がランダムなために子供の未来がランダムに決まってしまう問題もあげています。
*スウェーデンの大学
なんでそうなった!? スウェーデン。
F:スウェーデンは、新しい制度をアダプトして一般化させることにとても優れている国だと思うんだ。新しいことに対して寛容な自由さもあるしね。でも問題は、誰もそれにチャレンジしないこと。
潤p:どうゆこと!?
F:あまりに制度が整って、人生が安全に保たれて、そんな環境にいると、人間は安定した人生をどうしても歩むものなんだと思う。
スウェーデンの若者が、夢や希望を持っていないことが最大の危機だと語る彼。
豊かすぎる国がゆえの、ジレンマなのでしょうか。
正直、これまで夢見ていた北欧天国へのイメージがひっくりかえるような発言です。
最近では、彼のような夢を持ちたい若者は、海外に出て行ってしまっているといいます。
年金を当てにせず、将来の移住のために貯金する若者も多く、
彼自身も、お金を貯めてはタイやカリフォルニアへ長期間住むというライフスタイルを続けています。
もしかしたら、スウェーデンは、若者にとってとても「つまらない国」なのかもしれないのです。
*スウェーデンの大学
スウェーデンの教育を革命したい!
こんなにスウェーデンの社会風土や教育システムをディスってきた彼ですが、実は現在高校の数学の教師をしています。
F:僕の夢は、スウェーデンの教育を変えることなんだ。
ある日家に帰ってくると、なにやら彼がパソコンに向かって話しています。
なにしてるの!?
と聞くと、なんとオンライン授業の収録中。
彼の授業では、事前作成した動画を用い、24時間365日学生が学べる環境を作っているといいます。
さらに、PCやタブレット端末を推奨して、資料の管理は基本的にオンラインで行い、効率化を図っているといいます。
個人的にも、Youtube動画の編集技術やプログラミング知識た探求中だとか。
潤p:教師として、教育改革をしていくんだね!
F:教師はそのための僕自身の勉強の期間にすぎないと思ってるよ。これからは、もっと実際に子供達の心に伝わる活動をしていきたい。スピーカーとかね!
潤p:どうしてそこまでフィリップは熱くなれるの?
F:学ぶことの本当の楽しさに気づく人を増やしたいんだ。僕が、アジアに行って全く違うカルチャーから多く学んだ経験や、アメリカで仕事をして、スウェーデンにいるだけでは経験できないことを学んだり、そういった、本当に人生を豊かにする学びを、スウェーデンの子供達に届けたいんだ。
数日間、彼の家に泊まり、たくさんの彼の夢を聞き、彼のライフスタイルを見させてもらいました。
服も最低限、ビーガンだから食事もとてもシンプル。お金をかけずにストレッチや自分自身の学びに多くの時間をかける彼の生活は、際限のない消費の美徳を煽る大都会にありながら、とても開放的に見えました。
F:インドのヴィッパサナーって修行知ってる?
潤p:あぁ!何日間も、一切人と口を聞かないで過ごす修行でしょ?
F:僕は、あぁゆうことこそ今の世界に必要だと思うんだよね。最近の人たちは、話しすぎてるんだよ。
最後に、彼がお勧めしてくれた、動画をご紹介。
もうご存知の方も多いと思いますが、改めて、教育について、考えるきっかけをくれる動画です。