潤pの、就活やめて、世界一周することにしちゃった。

2016/4/15から始まった、世界中の「働く」を探るプロジェクト! 日本の「就活」と「働く」ことに息苦しさを感じた「現役就活生」潤pが、世界の同世代と出会い、就活事情と労働環境、そのライフコースを取材、配信し、 帰国後に電子書籍化するプロジェクト。

【日本人の知らない、理想国家スウェーデンの崩壊】高福祉国家に生まれた若者は、本当に幸せなのか?

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これまで潤pは爆速で歩くことで名を馳せてきたわけですが、

世界23カ国周る中唯一潤pを追い越したのは、スウェーデン人だったのです。

 

なんなんでしょうか、スウェーデンに来てからというもの、奇妙な感覚が抜けません。

滞在中1日も晴れなかったということも影響しているのかもしれませんが、なんだろう、このとてつもない違和感は。

 

何不自由ない理想郷国家、北欧のスウェーデンの、潤pの感じた日本人の知らない本当のところ、まとめます。

 

 

実は静かなスウェーデン人。

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どうやら日本では、外国人といえばとりあえず全員テンションが高いと信じられているところがあったりなかったりですが、スウェーデン人、おとなしい方が多いのです。

 

寒さからなのか無表情に早足で歩く人々や、こんなに静かな電車も日本ぶり。

ある人は電車内で電話がかかってきたら席を立って、小声で話始めるもんだから、ここは日本かて。

 

白人とひとまとめにしても、国民性や民族性でキャラクターは全く異なるのです。

そりゃ、日本人、韓国人、中国人、それぞれ違いますもんね。

 

ファッションより、家! 

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*地味目な色が好まれるスウェーデン人のファッション。

なんなんだろこの、「華やかさ」がない感じ。

と思いながら街を歩いていると、あ、そうだ、スウェーデン人、ファッションにあまり興味ない人が多いようなのです。(もちろん人によりますけども)

 

高級品志向がなく、「見栄」を気にする人が少ないのがスウェーデン人の特徴だとか。

 

一方どこにお金を使うかというと、家の中!

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スウェーデン人のお宅には何軒か押し入りましたが、入ってびっくり、どこも素敵なお家だらけ。

 

北欧家具でブームとなった色使いの可愛らしい家具に、暖かい間接照明の光、こだわりの趣味を並べたり、生活をほっこりさせる空間を家の中にしっかりと作っている人が多いように感じます。

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*紅茶の袋1つにしても、可愛いデザイン。

 

 

超効率主義社会スウェーデン

そんなスウェーデン人。

実は、超効率主義な発想を持っている人たちでもあるのです。

 

ストックホルムでは当然ながらクレジットカードに対応していない店なんてないですし、あらゆる場所で無人化を図り、電車のチケット販売機なんて、もうクレジットカードのみ対応になってます。

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あの世界に名だたるスウェーデン企業、IKEAH&Mがこれだけ爆発的躍進を遂げているのも、この超効率主義の発想から来ているようにも思います。

大型倉庫を郊外にぶっ建てて、型番控えて一括購入、家に持ち帰って組み立てて、みたいなIKEAスタイルは、まさにその典型的な例だなと。

 

 

徐々に迫る、、、福祉国家の陰り。

北欧は物価が高いよ、と言われておりましたがその通り。

外食なんか大変で、お酒もあまりに高すぎて、若者は宅飲みが基本らしい。

輸入品にはめちゃめちゃ関税がかけられているし、H&Mが流行るのもわかるなぁと。

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しかし一方で、現地に住む人の話を聞いてみると、スウェーデン、近年経済が徐々に落ち込んできているらしい。

 

いくら物価や税金が高いといえど、これまでは高い賃金と手厚い社会福祉制度がそんな国民を支えてきました。

 

しかし!経済状況の悪化に伴い国民全体の経済力が疲弊していく中で、

なんでお金のない自分が、他のお金のない人の分までサポートしなくちゃいけないんだ!

という世論が高まってきているというのです。

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その風潮を決定的に煽るのが、移民の増加

福祉国家の幻想を抱いて今、世界中から貧困に喘ぐ人々がスウェーデンに集まってきています。

 

これまでの充実した社会保障は、適度な人口と、平均的な所得から成り立ってきたもの。

そこに、社会保障を必要とする移民が急増すれば、国の経済の歯車が狂い出すのも当然の流れ。

 

さらに、かつて安全というイメージの強かったこの国は、今やヨーロッパでも窃盗の多い国の1つに。

つい先日窃盗で捕まったキューバ人は、スウェーデンに来てから10日間で犯罪を犯して捕まったと言います。

 

彼がいうに、

スウェーデンに来ればなんとかなると思った。」

 

窃盗の刑罰が低いことと、刑務所の設備が整っていて、寒い冬も暖かく過ごせること、衣食住に困らないことが、彼に動機を与えたのです。

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これらの事情に加え、晴天率が低く、長く厳しい冬に嫌気が刺した一部の裕福層は、早々と国を捨て、常夏の国へ出てしまうなんてことも増えているらしい。

最近ではその影響で空き家が急増。

 

福祉国家の幻想が今まさに、崩れかかっている瞬間なのかもしれません。

 

若者が夢を持てない、究極の成熟社会?

スウェーデンに来て感じた奇妙な感覚の一番の原因は、おそらく社会を動かすダイナミズムが伝わってこないこと。

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美しすぎる景観に、制度化され尽くした社会。

泥臭いところから懸命に社会に風穴を開けるようなカルチャーの波が、この国からは感じ取れなかった潤p。

これはあくまで潤pの主観の話ですので恐縮ですが、そんなことを感じてならなかったのです。

 

特に、そういったムーブメント生み出す主役であるはずの若者たちに、居場所がない。

上の記事では、保守的な傾向がスウェーデンの若者には好まれる例を見つけました。

社会制度が整ったこの国で、就職し、一生を過ごすことへのデメリットは未だに少ない。

税金も高いこの国で、汗水垂らして起業なんて熱意のメリットはとても小さいようなのです。 

 

スウェーデンの現状に、強く憤りを感じていた若者に話を聞いた上の記事では、彼の目線を通してスウェーデンが今抱える社会問題を知ることができました。

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こうした現状に、先に述べた経済悪化が加わると、若者のエネルギーやカルチャーは、より一層のフリーズを迎えざるをえないのではないかと感じます。

さらにそのような未来で若者たちが夢見るのは、絶対的な安定か、それに反発する人は、外に出ていくことしかありません。

 

スウェーデンは、潤pの印象では非常に大人びた、成熟社会。

無理をして新しい何かに挑み続けるよりも、無駄を省いて堅実に、自分の世界を持って生きていこうとする社会がありました。

 

政治的思想的強制は何もなくニュートラルなのに、人々は自然のうちにこうであれという方向性を共有し、それに反発を覚える人には気づいたら居場所がない、そんな空気を感じてしまうのです。

 

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「幸せ」の追求をこの世界どんな人でも結局は願っていることなのだと、世界を旅する中で潤pは気づいていくのですけれども、その「幸せ」を求める過程は、その国ごとに全く異なる。

 

日本で「幸せ」を追求するプロセスに、社会の中の個人として他者や社会との比較により、比較的受動的な意思決定をしていくのに対し、

スウェーデンでは、成熟しきった制度社会の中で、悪い意味ではない打算によって、受動的に意思決定をしてく過程があるように思いました。

 

しかし、今やその根拠が、経済状況の不安定化によって崩れかかっています。

揺れ動く時代にスウェーデンの若者がこれからどう対応していくのか、そこもまた興味深いところです。

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